女性は虫歯が多い?虫歯になりやすい理由と予防方法を解説

「虫歯は女性のほうがなりやすいって本当?」
「女性が男性と比べて虫歯になりやすい理由は?」
「虫歯の予防方法を知りたい」
歯の病気は全身疾患とも密接な関係があるため、異常が見られた際は早期対応が必要です。
本記事では、なかでも女性が虫歯になりやすいという言説の真意やその理由について解説していきます。
虫歯や歯の痛み、歯ぐきの腫れを治したいと思っている方は、ぜひ最後までご覧ください。
女性は虫歯になりやすい?
女性は虫歯になりやすいといわれていますが、これは事実です。
厚生労働省の調査によると、男性が平均14.7本の虫歯を持つのに対し、女性は平均16.1本の虫歯を持っているという結果が出ています。
この結果から、女性は男性よりも虫歯になりやすい傾向があるといえるわけです。
しかし、そこまで大きな差はありません。
個人の口腔状態や生活習慣によっても異なるため、定期的な歯科検診や適切なケアが重要です。
女性が男性と比べて虫歯になりやすい理由

ここからは、女性が男性と比べて虫歯になりやすい3つの理由について解説していきます。
- 唾液の量が少ないため
- 歯が薄く柔らかいため
- 甘いものを好む傾向があるため
それぞれ見ていきましょう。
理由①唾液の量が少ないため
女性が男性よりも虫歯になりやすい理由のひとつとして、唾液の量が少ないことが挙げられます。
唾液には口内のバクテリアを中和し、歯を保護する効果がありますが、女性ホルモンの影響により、女性は一般的に唾液の分泌量が少なくなります。
その結果、口内のバクテリアの増殖が進み、虫歯リスクが高まるのです。
理由②歯が薄く柔らかいため
女性が男性と比べて虫歯になりやすい理由のひとつは、女性の歯が一般的に薄く柔らかいからです。
男性の歯は骨密度が高く、硬い傾向があるため、虫歯になりにくいとされています。
一方、女性の歯は骨密度が低く、柔らかいため、虫歯が進行しやすくなります。
このため、女性は歯の健康管理に注意が必要です。
理由③甘いものを好む傾向があるため
女性が男性と比べて虫歯になりやすい理由のひとつは、甘いものを好む傾向があるからです。
女性は一般的に甘いお菓子や飲み物をより多く摂取する傾向があります。
これにより、虫歯の原因となる糖分が口内に留まり、歯の表面に付着しやすくなるため、虫歯の発生リスクが高まるのです。
関連記事:虫歯になりにくい食べ物や飲み物とは?予防方法も紹介
女性ホルモンの変化と虫歯リスクの関係
女性は一生の中でホルモンバランスが大きく変化しやすく、その影響が口腔環境にも表れます。
とくにエストロゲンの増減は唾液量の変動や歯茎の炎症に関わり、虫歯のリスクを高めることがあります。
思春期・妊娠期・更年期は口内トラブルが増えやすくなるため、普段以上にケアの強化が求められるでしょう。
以下で詳しく解説していきます。
妊娠・出産期はむし歯や歯周病が増えやすい
妊娠・出産期はホルモンバランスの変動が大きく、口内環境が悪化しやすい時期といわれています。
エストロゲンの増加によって唾液の分泌が低下し、口内が乾燥しやすくなるため、虫歯菌が増殖しやすくなるのです。
また、つわりによって歯磨きが難しくなることや、酸性の嘔吐が続いて歯が溶けやすくなることもリスクを高めます。
加えて、食事回数が増えることで口内に糖が残りやすくなるため、虫歯や歯周病が進行しやすい状況が整ってしまいます。
妊娠中こそ適度なケアと早めの受診が欠かせません。
更年期によるドライマウスが虫歯を招きやすい
更年期に入ると女性ホルモンが大きく減少し、それに伴って唾液の分泌量も低下するケースが多く見られます。
唾液は口内の自浄作用を担う重要な成分ですが、これが不足すると細菌が増えやすくなり、虫歯の発症リスクが急激に高まります。
また、口が乾燥すると粘膜が荒れやすくなり、違和感や痛みが増えることで歯磨きが丁寧に行えなくなる場合もあるでしょう。
さらに、飲み物で乾きを補おうとして砂糖入りの飲料を選んでしまうと、虫歯の進行が早まることもあります。
こうした変化を理解し、適切にケアを続けることが大切です。
女性は歯周病にもなりやすい?
更年期に入ると女性ホルモンが大きく減少し、それに伴って唾液の分泌量も低下するケースが多く見られます。
唾液は口内の自浄作用を担う重要な成分ですが、これが不足すると細菌が増えやすくなり、虫歯の発症リスクが急激に高まります。
また、口が乾燥すると粘膜が荒れやすくなり、違和感や痛みが増えることで歯磨きが丁寧に行えなくなる場合もあるでしょう。
さらに、飲み物で乾きを補おうとして砂糖入りの飲料を選んでしまうと、虫歯の進行が早まることもあります。
こうした変化を理解し、適切にケアを続けることが大切です。
女性におすすめの虫歯予防方法

虫歯の予防方法は、定期的な歯磨きやフッ素入りの歯磨き粉の使用、歯間ブラシやフロスでの歯間清掃が重要です。
また、食事後には水で口をすすいでおくと良いでしょう。
甘いものを控えめに摂取し、定期的な歯科検診も忘れずに行うことが大切です。
毎日の歯磨きとフロス
虫歯を予防するためには、毎日の歯磨きとフロスの併用が欠かせません。
歯ブラシだけでは落としきれない歯間の汚れが虫歯の温床になることが多く、フロスを使うことで細菌の増殖を防ぎやすくなります。
また、磨く順番を決めて習慣化すると磨き残しが減り、口内環境を清潔に保ちやすくなるでしょう。
特に女性はホルモンの影響で歯茎が腫れやすい時期があるため、日ごろのメンテナンスの質が虫歯予防に直結します。
虫歯リスクの少ない間食や飲み物を選ぶ
虫歯のリスクを下げるためには、食べる回数や飲み物の選び方にも注意が必要です。
甘い飲み物やお菓子を頻繁に摂取すると、口内が酸性の状態に傾く時間が長くなり、虫歯が進行しやすくなります。
また、間食の回数が増えるほど歯が再石灰化する前に糖が付着し続けるため、虫歯菌にとって好ましい環境になってしまいます。
水やお茶を選ぶ、間食のタイミングを一定にするなど、日常に少しの工夫を取り入れることで虫歯のリスクは確実に抑えられます。
定期検診とクリーニング
女性はホルモンの影響で口内環境が大きく変化しやすいため、定期的な歯科検診を受けることが予防につながります。
検診では自分では気づきにくい初期虫歯や歯周病の兆候を早い段階で発見できるため、治療の負担も軽減しやすくなります。
また、歯科医院で受けるクリーニングは歯石や磨き残しを徹底的に取り除けるので、虫歯や歯周病を防ぐ効果が期待できます。
特に忙しい時期ほど検診を後回しにしがちですが、長期的な健康のためにも定期受診を続けたいところです。
虫歯治療の流れ
虫歯治療の流れは、まず歯科医師が虫歯の診断を行い、その範囲や深さを評価します。
次に局所麻酔を行い、虫歯を削り取ります。
その後、詰め物や被せ物などの治療材料を使用して欠損部を修復し、最後に噛み合わせを調整するという流れが一般的です。
関連記事:虫歯の初期症状と症状が現れたときの適切な対処法について
女性が虫歯になりやすい理由は唾液量と歯の形質

今回は、女性と虫歯の関連性について解説してきました。
女性が虫歯になりやすい理由は、唾液量と歯の形質に関係があります。
女性の唾液量は男性よりも少なく、虫歯を予防する役割が減少します。
また、女性の歯は男性に比べて歯質が軟弱で、そういう意味でも虫歯になりやすいといえるでしょう。
定期的な歯科検診と適切なケアが重要です。
世航会デンタルオフィスでは、虫歯治療から予防歯科、歯周病治療まで、幅広い歯科治療を提供しています。受診の際はカウンセリングもしっかりと実施しているため、歯のことでお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。
虫歯が多い女性によくある疑問
ここでは、虫歯に悩む女性からよく寄せられる質問をまとめました。
以下でそれぞれ分かりやすく説明していきます。
Q1.虫歯になりやすいのは体質?それとも生活習慣?
虫歯になりやすさは体質だけで決まるものではなく、生活習慣によって大きく変わることがあります。
たとえば唾液が少ない体質の人は虫歯菌が増えやすい傾向がありますが、丁寧なブラッシングや食後の口ゆすぎを徹底することでリスクを抑えることは十分可能です。
また、砂糖を多く含む飲食物を頻繁に摂る習慣があると、歯が丈夫でも虫歯が進行しやすくなります。
つまり、体質と習慣の両方に目を向けながら、日常生活を見直すことで虫歯のリスクを大幅に減らせます。
Q2.虫歯が多くても今からリスクを減らすことはできますか?
これまでに虫歯が多かったとしても、今から対策を始めれば将来的なリスクを減らすことは十分に可能です。
まずは正しい歯磨きとフロスを習慣化し、歯間に汚れを残さないよう意識してみてください。
また、甘い飲み物や間食の頻度を見直すだけでも、口内が酸性に傾く時間を短縮できるため、虫歯の進行を抑えやすくなります。
さらに歯科医院での定期検診を受ければ、初期段階でトラブルを発見でき、長期的な口内の健康維持につながります。日々の工夫を積み重ねることが大切です。
Q3.妊娠・授乳中に虫歯治療を受けても大丈夫?
妊娠や授乳中でも、適切な時期と方法を選べば虫歯治療を受けることはできます。
妊娠初期は体調が不安定なことが多いため、安定期である中期に治療するケースが一般的です。
また、使用される麻酔薬は胎児や母乳への影響が少ないものが選ばれることが多く、必要以上に心配しなくても問題ありません。
ただし、薬の使用やレントゲン撮影については個人の状況によって判断が異なるため、事前に歯科医へ相談することが欠かせません。
気になる症状が出た場合は早めに受診することをおすすめします。
コラム監修者
資格
- 医療法人社団世航会 理事長・歯学博士
- ICOI 国際インプラント学会 指導医
- UCLAインプラントアソシエーション理事
- JAID 常任理事
- 日本顎咬合学会 認定医
- 日本口腔インプラント学会所属
- 日本補綴歯科学会所属
- 日本歯科医師会 会員
- 東京都歯科医師会 会員
- 厚生労働省認定研修医指導医
略歴
- 1997年 明海大学 歯学部入学
- 2003年 同大学 卒業
- 2003年 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 顎口腔機能再構築学系 摂食機能保存学講座 摂食機能保存学分野 博士課程 入学
- 2006年 顎咬合学会 特別新人賞
- 2007年 同大学院 修了 歯学博士所得
- 2007年 東京医科歯科大学 歯学部附属病院 医員
- 2007年 世田谷デンタルオフィス 開院
- 2008年 医療法人社団世航会 設立
- 2013年 明海大学歯学部 保存治療学分野 非常勤助教
- 2014年 明海大学歯学部 保存治療学分野 客員講師
- 2015年 昭和大学歯学部 歯科矯正学分野 兼任講師
- 2016年 明海大学歯学部 補綴学講座 客員講師
- 2020年 日本大学医学部 大学院医学総合研究科生理系 入学
- 2025年 同大学院 修了 医学博士取得
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