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虫歯治療は1日で終わるもの?2日以上かかる理由と新しい治療方法
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虫歯治療は1日で終わるもの?2日以上かかる理由と新しい治療方法

虫歯は多くの人がかかるお口のトラブルです。歯が軽く溶けている軽度な症状から、歯の奥に通っている神経までも失ってしまう重度までいくつかのレベルに分けられ、早期発見・早期治療で元のきれいな歯を維持することができます。

 

この記事では、虫歯治療がなぜ1日で終えられないのか、一気に治療ができない理由と1日で終えるための治療法を詳しく紹介していきます。虫歯治療が面倒でクリニックに通えない方、新しい治療法をチェックしたい方はぜひ参考にしてください。

虫歯治療は1日で終わる?

虫歯治療は、1日で終わるものと終わらないものに分けられます。初期の軽い虫歯以外は歯を削り、そこへ被せ物を行わなければならないため、虫歯治療とは別の日程で、被せ物を歯に合わせて調整する日が必要になります。

治療を一気にしてくれる歯科医院はある?

虫歯治療は深さ・本数・虫歯以外のケアの有無によってかかる日数や時間が異なるため、すべての患者さんが1日で治療を終えられるわけではありません。

 

しかし、隣り合う2本の歯がどちらも古い詰め物に覆われている、または虫歯になっているようなケースでは、両方を同時に治療することができます。

 

クリニックによっては1本ごとに治療を完結させる場合もありますが、1日のうちにすべての患部を削り出して、次の1日ですべての歯に被せ物や詰め物をするといった治療は可能です。

虫歯治療が1日で終わらない理由

虫歯治療が1日で終了しないのは、患者さんごとの虫歯の範囲・深さ(レベル)・虫歯を取り除いた後の処置などが含まれるためです。なぜ1日で治療を終えられないのか、4つの理由をみていきましょう。

治療には複数のステップがあるため

虫歯治療といっても、削る必要がない軽症な方・歯石取りや歯周病の治療までが必要な方・根の治療を先に行う方と複数のステップが必要になる場合があります。

進行度合いによって治療が異なるため

虫歯には、ほとんど削る必要がない軽症から神経まで侵されてしまった重度までに分けられます。進行の度合いによって治療の内容・回数が異なります。

 

関連記事:虫歯のステージとは?治療の選択肢についても解説

保険治療のルールがあるため

保険診療を行うためには、ルールに沿って治療を進めなくてはなりません。歯科医師の判断で治療内容を変更できない部分があるため、1日で終わる治療でも2回以上に分けられる場合があるのです。

1本ずつ治療するため

ほとんどの歯科医院では複数の歯を同時進行で治療することがなく、1本ずつの治療になるため期間が長くなります。

虫歯の治療方法

虫歯の進行度に応じた治療方法は、一般的に以下のような内容になります(セレック治療を適用した場合は補綴物の製作日数が短くなります)。

進行度 虫歯の内容 治療方法
C0 エナメル質がやや溶けている 歯を削る必要がないため経過観察。歯石取りやクリーニングを行う場合でも1日で終了
C1 エナメル質が虫歯になっている 虫歯を取り除き、詰め物をする。歯1本につき1日の治療で終了
C2 象牙質が虫歯になっている 虫歯を取り除き、被せ物を製作して歯を覆う。歯1本につき2回の治療が必要になる
C3 歯髄までが虫歯になっている 根管治療を行い、土台を作って、被せ物を製作して歯を覆う。歯1本につき3回以上の治療が必要になる
C4 歯周組織にも侵食している 抜歯し、回復後にブリッジや入れ歯を作製して装着する。自費診療による歯牙移植やインプラントも可能。歯1本につき最低でも4回以上の治療が必要になる

C0(シーオー)と呼ばれる初期症状以外は、すべて虫歯を削る治療で1日がかかります。それ以降は進行状態に合わせて、補綴物を製作し装着していきます。歯周組織までが侵食されているケースでは抜歯が必要になるため、治癒に1週間程度の期間がかかり、人工歯の作製と装着にもそれぞれ時間がかかります。

虫歯治療の日数について

虫歯治療にかかる日数は、短期間で済むものと長期間にわたるものとに分けられます。どのような違いがあるのかを確認していきましょう。

短期間で済む場合

短期間で完了する虫歯治療には、削ったその場で詰め物ができるケースであれば1日で終了します。セレックシステムを使う場合も同様に、1日で終了できるでしょう。

 

一般的に、しっかりと削る虫歯は被せ物を作製しなければならないため2日(2回)に分けて治療を実施します。

長期間になる場合

虫歯治療が長期にわたるケースというのは、2本以上の虫歯が存在している、または歯周病の治療や根の治療といった虫歯以外のケア・処置が必要になる状況です。お口の中の状態を見ながら治療を進めていくため、炎症がひどい部分は抗生剤や鎮痛剤を飲んで治療を行います。

 

虫歯1本あたりの症状が重い場合も同じく、歯の奥まで治療・消毒して被せ物をしたり、抜歯をして患部が安定してから人工歯を入れたりするケースもあるため、日数がかかる可能性があります。

虫歯にならないために

虫歯にならないためにできる対策としては、以下の2点を守りましょう。

【虫歯にならないための注意点】

  • こまめにデンタルケアを行う
  • 定期的な検診とクリーニングを受ける

虫歯予防には、自宅とクリニックのそれぞれでケアを並行する方法がおすすめです。自宅では歯ブラシのほかにもフロスやマウスウォッシュ、その他のケア用品を活用し、お口の中を衛生的に保ちましょう。

 

それでも取り残した歯垢が歯石になってしまい、歯にこびりつくことがありますので、1〜2ヶ月に1回程度の定期検診と歯のクリーニングをおすすめします。自宅でできるケアだけではなく、専門医での予防も並行すると良いでしょう。

虫歯治療を1日で終えるには

虫歯治療を短期間で終える方法としては、「セレック」「MI治療」が注目されています。それぞれの治療の特徴やメリットを確認していきましょう。

セレック

セレック(CEREC/セレックシステム)は、金属を使わない詰め物や被せ物を作るための設計・作製システムです。CAD/CAMと呼ばれる技術を歯科治療に応用しており、高品質なセラミック素材を使って、虫歯治療を施した部分に詰め物や被せ物を行います。

 

セレック治療ではまず医師が患者さんの歯をスキャンし、データをコンピューターに送ります。3D画面で設計を行った後で自動切削機(ミリングマシン)にかけてセラミックを削り出して、患者さんの歯に合う補綴物を作ります。

 

精度の高さが特徴であり、歯科技工所へ製作を依頼せずクリニック内で補綴物ができあがるため、短期間のうちにきれいな歯を手に入れられる方法です。

 

治療の流れ

セレック治療は虫歯を削ってから行う治療です。通常通り虫歯治療を行った後、歯型を取ってコンピューターで読み取ります。

 

3D画像を確認しながら歯に合うように設計し、ミリングマシンで補綴物を製作していきます。セラミックを削り出し、完成したものを歯の中にセットして確認し、噛み心地などを確認して完了します。

 

費用の相場

セレックは自費診療のため、保険適用外の料金になります。大臼歯1本の被せ物で4〜6万円程度が目安です。

 

クリニックによって費用の相場が異なるため、事前に確認しておくと安心です。

MI治療

MI治療は、ミニマル・インターベンション(最小限の侵襲)と呼ばれる、歯と歯の周りの組織を保持する治療です。

 

一例として、歯を削らなければならない治療でもしっかりと歯を削るのではなく、負担を最小限に抑えるために虫歯の部位のみを削除し、その他を修復していきます。「可能なかぎり歯を抜かない」「歯の寿命を短くしない」といった目標も含まれており、健康な歯であればそのまま残存させるといった考え方になります。

 

治療の流れ

MI治療では事前に検査を行い、虫歯の進行を調べます。治療計画の説明の後、唾液検査や「チェッカー/う蝕検知液」と呼ばれる色素を使って虫歯の箇所を染め出す処置が行われ、その結果に基づいて病巣を取り除く治療に入ります。

 

今までの虫歯治療は虫歯とその周辺も予防のために丸ごと取り除く治療方針でしたが、MI治療はあくまでも悪くなった部分のみを取り除き、その周辺は保持します。

 

MI治療では歯を大きく削るのではなく、専用の器具を使って少しずつ丁寧に虫歯を削り出します。削る部分を少なくするように配慮していく点が、従来の虫歯治療と異なるポイントです。治療の流れ自体は一般的な歯科治療と同じですが、削る範囲が狭くなるため治療にかかる時間が短くなります。

 

費用の相場

MI治療は虫歯を大きく削らないという方針のもとで行われる治療で、一般的な虫歯治療と費用に大きな違いはありません。

 

相場としては数千円程度で、1本の歯につき3,000円〜5,000円以下が一般的です。ただし詰め物や被せ物の素材を保険適用外のものにすると、自費診療の料金になるため数万円の費用がかかります。

1日で虫歯治療を行う場合の注意点

被せ物を歯科技工所に発注する場合、完成までに時間がかかります。待ち時間をなくしたい場合はセレックシステムを導入しているクリニックを選ぶ必要がありますが、治療期間が短縮できる反面費用が高くなるため注意が必要です。

 

クリニックの治療方針を確認し、メリットとデメリットを理解したうえで、ご自身に合う治療法を選択してください。

症状によって1日で終わる虫歯治療も選べる

今回は、虫歯治療を1日で終わらせる方法や、難しい例について紹介しました。

 

クリニックが削らない治療を心掛けている場合、従来の治療であれば被せ物にするところを詰め物にとどめるような例もあります。健康な歯を少しでも多く残したいと考えている方は、削らないMI治療を行っているクリニックを選んでみてはいかがでしょうか。

 

ただし歯を削りたくないからといって虫歯を残すことはできないため、普段から虫歯が悪化しないように予防を心掛けたいところです。

 

世航会デンタルオフィスでは虫歯治療から予防歯科、歯周病治療まで、歯科治療を幅広くご提供しています。不安なく治療を受けていただけるよう、カウンセリングもしっかりと実施。歯が痛いと感じられている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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