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歯が痛い原因として考えられる16の理由と痛みへの対処法について
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歯が痛い原因として考えられる16の理由と痛みへの対処法について

歯の痛みで悩んでいる方に向けて、歯が痛い原因について解説します。

 

歯がズキズキ痛むと、「虫歯かな?」「ストレスかな?」とさまざまに原因を考えられることでしょう。歯が痛い原因は実にさまざまであり、一概に虫歯とも言い切れません。

 

そこで今回の記事では、歯が痛い原因について16の可能性をご紹介します。痛みを軽減させる方法も解説しますので、読んでいただければ原因の予想ができるようになるとともに、対処の仕方がおわかりいただけるはずです。

歯の構造

歯は主に表面からエナメル質・象牙質・歯髄と呼ばれる3つの部位で構成されています。エナメル質は表面の硬い部分、象牙質はエナメル質の下にある少し柔らかい部分です。

 

そして最奥にある歯髄は、「歯の神経」と呼ばれる部分。普段は歯茎の中に隠れていて見えません。しかし虫歯が進行したなど、何らかの原因により歯髄部分が刺激されると歯に痛みが生じます。

 

歯はエナメル質・象牙質・歯髄からなりますが、痛みを感じさせるのは歯髄部分です。

痛みを引き起こす歯のトラブル

それでは歯が痛い原因とはどのようなものでしょうか?痛みを引き起こす歯のトラブルは、次のようにさまざまです。考えられるトラブルについて16個ご紹介します。

トラブル1:虫歯

歯が痛む原因として代表的なのは「虫歯」です。虫歯は細菌により歯の表面から侵食されていく病気ですが、神経部分である歯髄まで虫歯が達した際に痛みが強くなります

 

虫歯になると虫歯菌が出す酸によって歯が溶かされ、エナメル質に穴が空きます。そして象牙質まで侵食し、次に歯髄にまで侵食したときに強い痛みが生じる仕組みです。一般的に強い痛みが現れる前に、しみるようなじんわりとした痛みが感じられます。

 

もし甘いものや冷たいものがしみると感じていた期間を経て痛みが現れたら、虫歯が歯髄まで進行して痛みが生じたと考えられるでしょう。

 

関連記事:虫歯の進行速度を遅らせるには?進行を早める習慣もあわせて解説

虫歯かどうかセルフチェックする方法

歯が痛い原因が虫歯かもしれないと思われるなら、下記のセルフチェック項目で虫歯かどうか判別してみましょう。

【チェック項目】

  1. 間食で甘いものをよく食べる
  2. 歯並びがあまり良くない
  3. 虫歯になった経験があり治療箇所が多い
  4. 唾液の量が少ない自覚がある
  5. 歯周病である
  6. 歯茎が下がっていると感じる
  7. 部分入れ歯を使っている

もしチェック項目の中で当てはまるものが多ければ、虫歯である可能性が高いと考えられます。ただしチェック項目に当てはまらない方でも虫歯になっている可能性は捨てきれません。詳しくはやはり歯科クリニックで検査をするのがいちばんです。

 

虫歯は早めに処置をすれば簡単な治療で治ることも少なくありません。できる限り定期検診として、歯科クリニックを受診してください。

トラブル2:歯周病

虫歯ではなく「歯周病」で歯が痛むときもあります。成人に多く、悪化すると歯を支えている骨が溶けて、歯が失われてしまう疾患です。

 

歯周病の特徴は、発症初期では痛みを感じないこと。炎症によって細菌が増殖し、膿がつくられ腫れが生じるころになると痛みが現れます。しかし痛みが現れたときにはすでに抜歯が必要となることが多く、早めの処置が重要です。

トラブル3:歯肉炎

歯が痛い原因として考えられる次のトラブルは「歯肉炎」です。歯肉炎とは、歯茎に炎症が起きている状態のことを指します。腫れ・赤み・出血などが主な症状です。

 

しかし初期段階では腫れや痛みがあまり見られません。症状が進行するにつれて痛みが増します。ただし痛みが現れたとしても、毎日のケアで症状を緩和できるトラブルです。

 

もし歯肉部分に腫れや赤み、出血などが見られるようなら、日々のブラッシングをより丁寧に行ってください。しばらく様子を見て、改善されるようなら歯肉炎だと判断できます。

トラブル4:歯髄炎

「歯髄炎」は虫歯の進行により引き起こされます。虫歯が歯髄にまで達して、神経に触れるようになった状態が歯髄炎です。

 

もし虫歯を放置していたり、冷たいものがしみるのを我慢していたりしたなら、歯髄炎へと進行して痛んでいるのかもしれません。

トラブル5:噛み合わせのトラブル

中には「噛み合わせのトラブル」によって歯が痛くなるケースも見受けられます。たとえば片方の噛み合わせが強すぎると、バランスよく咀嚼できません。

 

すると歯に大きな力がかかりすぎて歯が痛くなることがあります。また噛み合わせが正常でも、食いしばりや歯ぎしりなどの癖がある場合も同様です。噛み合わせは歯科クリニックで調整してもらえるため、早めに相談をして痛みの原因を解消しましょう。

トラブル6:外傷

もし歯を強く打った覚えがあるなら、「外傷」により歯が痛んでいることも考えられます。歯に強い衝撃が加わると、歯と骨の連結部分にある靭帯を損傷してしまうことがあるためです。転倒したりぶつかったりして歯を打った場合は、外傷が原因かもしれません。

トラブル7:知覚過敏

続いてご紹介する歯が痛い原因は、「知覚過敏」です。知覚過敏とは温度変化による刺激に敏感になっている状態のことを指します。熱いものや冷たいものを食べたときに痛みを感じる状態です。歯ブラシや甘いもので歯がしみるように感じられることもあるでしょう。

 

知覚過敏は歯茎が下がったり、歯が折れたりしたときになりやすいものです。歯は硬いエナメル質によって守られていますが、エナメル質が欠けて内部の象牙質が露出すると知覚過敏となります。

トラブル8:親知らず

もし奥歯が痛いと感じられるなら、「親知らず」が原因となっていることも考えられます。親知らずは正常に生えてこないことが多く、ブラッシングなどのケアが行き届きにくい場所でもあります。そのため虫歯になりやすい歯です。

 

もし虫歯になっていなかったとしても、生え方によって痛みが生じることもあるでしょう。傾いて生えてしまった場合、隣の歯を圧迫して痛むこともあります。また智歯周囲炎になると歯茎の腫れが生じることもあるため、早期の受診が求められます。

トラブル9:歯根膜炎

「歯根膜炎」は、歯の根元にある「歯根膜」に炎症が及んだ状態のことを指します。歯を見たときに変色などの異常がないのに咀嚼時に強い痛みを感じたら、歯根膜炎かもしれません。

 

歯根膜炎は歯茎の下で起きる炎症です。そのため見た目では判別できません。しかし虫歯が原因で引き起こされることも多く、歯肉の腫れや発熱も確認できます。疑わしい場合は、歯茎とともに虫歯の有無を確認してください。

トラブル10:歯根破折

続いてご紹介する「歯根破折」とは、歯がヒビ割れたり、完全に割れてしまったりして痛みが生じるようになった状態のことです。外からの衝撃などがなくてもある日突然、歯が割れることがあります。おもに歯周病と虫歯が原因です。

 

歯根破折による痛みは、咀嚼のときに痛みが生じたり、常に鈍い痛みが走ったり、歯茎の腫れによって痛いなどの症状が現れます。虫歯や歯周病を放置していると歯根破折になりやすいため、早めに治療をすることで防げます。

トラブル11:根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)

歯が痛い原因として最後にご紹介するのは、「根尖性歯周炎」です。根尖性歯周炎とは、歯の根元である歯根に炎症が起きて膿が溜まり、痛みが生じる状態のことを指します。場合によっては、歯髄を除去した歯や、神経が死んでしまった歯でも起こる症状です。

 

ただし根尖性歯周炎が慢性化している場合は、痛みを感じない場合があります。慢性化している最中に急性化すると、強い痛みが現れることも少なくありません。もし腫れとともに強い痛みが生じたら、根尖性歯周炎の可能性があります。

歯以外を原因とする痛みの原因

歯が痛い原因を探っても、なかなか判別できないことがあります。まれに「歯以外」が原因となって、歯が痛いような気がすることがあるためです。

原因1:神経障害性歯痛

神経障害性歯痛は、突然、もしくは慢性的に歯に激痛が走る症状です。歯の神経のどこかに障害が生じることで起きる痛みで、神経痛のようなものです。突発的に起こる「発作性神経痛」と、1日中鈍い痛みが続く「持続性神経痛」の2種類があります。

 

発作性神経痛では鋭く強い痛みが瞬間的に起こり、持続性神経痛では激しい痛みが1日を通して続きます。

原因2:筋・筋膜性歯痛

「筋・筋膜性歯痛」とは咀嚼に必要な筋肉が炎症を起こして痛む状態です。筋・筋膜性歯痛は口の周りの筋肉の痛みから生じる葉の痛みです。咀嚼に必要な筋肉や首の筋肉、周辺の筋膜などが痛んで歯の痛みが起こります。

 

筋・筋膜性歯痛の場合は、筋肉をマッサージする、筋肉に負担をかけている姿勢を改善する、ストレスを減らす、などの対処法にて改善が可能です。もし歯に何の異常もないのに痛みが起きているようなら、筋肉が原因の「筋・筋膜性歯痛」かもしれません。

原因3:上顎洞性歯痛

歯が痛い原因として、歯以外の要因で考えられるもののひとつとして「上顎洞性歯痛」があります。上顎洞は上顎の上、鼻のあたりにある骨の空洞のことです。上顎洞で炎症が起きると奥歯が痛むことがあります。

 

上顎洞の部分には奥歯に通ずる神経が通っています。そのため上顎洞の粘膜に炎症が起きることで引き起こされる症状です。結果として奥歯だけに強い痛みを感じるため、他の原因とは判別がつけやすいはずです。

原因4:心臓性歯痛

「心臓性歯痛」は、心臓疾患が原因で歯痛が起こっている状態のことです。狭心症や心筋梗塞、心膜炎、動脈解離などの発作とともに歯痛が起こります。

 

しかし心臓の痛みなどを伴わず、歯痛だけが起こるケースも稀にあります。そのような場合は虫歯などと勘違いしやすいため、注意が必要な症状です。

原因5:ストレス

意外かもしれませんが、歯が痛い原因が「ストレス」であることもあり得ます。不安や恐怖などのストレスを感じた場合です。

 

主に統合失調症などの疾患が引き起こされることが原因であり、歯に異常があるわけではありません。強いストレスを感じたときに歯が痛くなったら、原因はストレスにある可能性もあります。

口腔内に痛みがある場合の対処法

それでは口腔内に痛みがある場合、どのように対処するべきかご紹介します。どのような原因であれ、まずは次のような対処法を試してみてください。

対処法1:なるべく早めに歯科を受診する

まずはなるべく早めに歯科クリニックを受診することが求められます。歯の疾患は早めに治療を始めれば、短期間で改善されるものです。

 

また歯が痛い原因の中には、歯が原因ではないこともあります。中には命に関わる原因であることもあるため、できる限り早めに受診して原因を突き止めましょう。

対処法2:鎮痛剤を服用する

すぐに歯科クリニックを受診できないなら、鎮痛剤を服用して痛みをやわらげましょう。鎮痛剤は歯科クリニックから処方されたものでなくても構いません。ロキソニンやバファリンなどが代表的です。

 

ドラッグストアなどで市販されている鎮痛剤を服用してください。強い痛みは治まるはずです。

対処法3:患部を冷やす

患部を冷やすのも痛みをやわらげるために効果的です。痛みは血流が滞ると軽くなる傾向があります。鎮痛剤を服用して、痛みを感じる部分を冷やせば大抵は良くなるでしょう。

 

ただしあまりに冷やしすぎると逆効果となることがあるため、氷を直接当てたり、口に含んだりするのはやめてください。タオルに包んだ保冷剤などで優しく冷やすのが理想です。

対処法4:口腔内を清潔に保つ

歯が痛いときの対処として、口腔内を清潔に保つことも欠かせません。歯垢の中には虫歯の原因菌がたくさん存在しています。ブラッシングを丁寧にして、デンタルフロスやマウスウォッシュで清潔を保ちましょう。

 

また塩水でのうがいもおすすめです。グラス1杯の水にティースプーン半分くらいの塩を入れてうがいをしてください。口の中をできる限り清潔に保つことが大切です。

対処法5:ツボを押す

痛みを軽減するツボを押す方法も効果が期待できます。痛み軽減効果がある代表的なツボは次のとおりです。

【痛みを軽減するツボ】

  • 合谷:手の甲にある、親指と人差指の骨が交差するところ
  • 下関:耳の穴の下に4本の指を当てたところにある頬骨近く
  • 下頬車:エラ部分で食いしばったときに動くところ

歯に痛みを感じたときに、ツボをゆっくりと優しく押してみてください。痛みが軽減されるかもしれません。

歯が痛いときにやってはいけないこと

最後に次のような行動は歯の痛みを助長させるため、控えるようにしましょう。

【NG行動】

  • 入浴
  • 飲酒
  • 運動
  • 喫煙
  • 香辛料などの刺激物
  • 熱い・冷たい食べ物
  • 甘い食べ物
  • ジュースや炭酸飲料

基本的に血行が促されると痛みが増幅するため、入浴・飲酒・運動は避けてください。患部を冷やすと効果的だとご紹介したように、身体が温まるようなことは基本的に避けましょう。

 

喫煙は患部への刺激となる可能性があり、禁煙が好ましいです。香辛料や熱い・冷たい食べ物なども刺激となる恐れがあります。

 

甘い食べ物を食べたり、ジュースや炭酸飲料を飲んだりすることも悪化の原因となります。歯が痛い原因はさまざまですが、痛みを感じるときはいずれも避けるべきです。

歯が痛い原因はできる限り早めに解明を

いかがでしたでしょうか?この記事を読んでいただくことで、歯が痛い原因がご理解いただけたと思います。

 

歯が痛くなる原因はさまざまであり、中には口腔内が原因ではないケースもあります。心臓疾患の可能性もあるため、できる限り早めに歯科クリニックを受診して、原因を解明してください。

 

世航会デンタルオフィスでは24時間WEB予約を受け付けておりますので、歯に痛みが生じたときにお気軽に予約していただけます。できる限り痛みを抑えた治療を行いますので、歯の痛みにお悩みならぜひお越しください。

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