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虫歯治療

公開日 2024.01.10　更新日 2025.11.20

虫歯の治療にかかる期間や回数は？治療期間短縮の方法も紹介

虫歯の治療に要する期間や回数は、虫歯の進行度によって大きく異なります。軽度の虫歯であれば一度の治療で済むこともありますが、進行度が深い場合は複数回の診療が必要になることも珍しくありません。

また、予防と治療期間の短縮のためには、日々の正しいブラッシング、定期的な検診やクリーニング、そして何よりも早めの受診が効果的です。

本記事では、虫歯治療の期間や回数について詳しく解説しています。また、治療期間短縮のための予防策と、治療中の注意点についても紹介しています。

虫歯の治療にかかる期間・回数

虫歯の治療にかかる期間と回数についてですが、まずはなぜ複数回の治療を行う場合があるのか解説していきます。

なぜ複数回の治療になるのか？

虫歯治療が複数回にわたる理由は、治療の精密さを確保するためです。特に中度以上の虫歯では、正確な診断、適切な処置、そして詰め物や被せ物を確実にフィットさせるため、複数のステップを踏む必要があります。

また、治療後の歯の反応を確認し、必要に応じて調整するためにも、数回の訪問が求められるのです。

段階を踏んで治療を進める必要があるため

虫歯治療は症状の進行に合わせ、段階的に進める必要があります。虫歯を削って詰めるだけでなく、神経や歯根にまで達している場合は消毒や経過観察が欠かせません。

また、詰め物や被せ物を装着する際には型取りや製作期間が必要となるため、複数回の通院が一般的です。これらの工程を丁寧に行うことで、再発を防ぎ、長期的に安定した治療結果を得ることができるでしょう。

1回の治療で対応できる本数に限りがあるため

虫歯が複数ある場合でも、1回の治療でまとめて処置できる本数には限界があります。治療時間が長くなると、患者の負担が増えるほか、麻酔の効果が持続しにくくなるためです。

そのため、歯科医師は治療の安全性と精度を保つために、症状や部位に応じて数本ずつ段階的に進めます。こうした理由から、複数の虫歯がある場合は複数回の通院が必要になることが多いといえるでしょう。

保険診療のルール上の制約

保険診療では、治療内容や進め方に制度上のルールが設けられています。たとえば、根管治療などは複数の工程を経て慎重に進める必要があり、保険の算定ルール上、一定の間隔を置いて行うことが一般的です。

このように、制度による制約は患者の安全性と治療の確実性を保つ目的もありますが、その分だけ通院回数が増える傾向にあります。効率よく治療を進めるためには、計画段階でスケジュールを共有しておくと安心でしょう。

予約やスケジュールの都合で間隔が空くことも

治療の計画どおりに通院できない理由の一つに、予約の混雑や患者自身のスケジュール調整の問題があります。人気のある歯科医院では次の予約まで間隔が空くことがあり、その結果、治療が長期化するケースも少なくありません。

治療期間をできるだけ短くしたい場合は、初診時に次回以降の予約をまとめて確保しておくとよいでしょう。こうした小さな工夫が、治療をスムーズに進めるためのポイントになります。

1回あたりの治療時間の目安

虫歯治療では「通院回数」に目が向きがちですが、実際には1回あたりの治療時間も全体の期間を左右します。軽度の虫歯であれば30〜40分程度で済む場合もありますが、神経の治療など複雑な処置を伴うと60分以上かかることもあるでしょう。

さらに、治療する歯の本数や処置内容（詰め物・被せ物・根管治療など）によって診療時間が延びると、結果的に通院回数も増えやすくなります。そのため、治療を始める際は「1回の所要時間」を歯科医師に確認し、全体のスケジュールを把握しておくと安心です。

虫歯の程度による治療期間・回数の違い

虫歯の程度によっても、治療期間や回数は異なります。

【虫歯の状態】

初期の虫歯
エナメル質の虫歯
象牙質の虫歯
神経まで達している虫歯
歯根まで達している虫歯

各段階における治療期間・回数について見ていきましょう。

初期の虫歯

C0と呼ばれる初期の虫歯では、エナメル質の脱灰が始まった段階であり、フッ素塗布やセルフケアで再石灰化を促すよう、治療を進めていきます。痛みがないため、治療は多くの場合で1回の診療で済みます。しかし、進行を防ぐためには定期的な検診が必須です。

関連記事：虫歯の初期症状と症状が現れたときの適切な対処法について

エナメル質の虫歯

C1はエナメル質の虫歯を指します。小さな穴が開いた状態で、痛みはほとんどありません。この段階であれば、コンポジットレジンを用いた修復で治療することが多く、通常は1〜2回の診療で完了します。

象牙質の虫歯

C2の段階では、象牙質まで虫歯の範囲が広がり、冷たいものや甘いものに敏感になることがあります。治療は複雑になり、場合によってはインレーと呼ばれる間接的な修復が必要です。型取り、一時的な詰め物の装着、最終的な被せ物の装着といった複数ステップが必要になるため、期間は1週間程度、通院は2〜3回が一般的です。

神経まで達している虫歯

C3の段階では、虫歯が歯の神経に達している状態です。激しい痛みが伴い、根管治療が必要となります。治療は歯の神経を取り除き、感染源を除去、その後歯を再建する複数の段階を含みます。合計で3〜5回の訪問、期間は1ヶ月程度かかります。

歯根まで達している虫歯

C4の段階は、歯根部分のみが残っている虫歯を指します。抜歯が避けられない場合が多く、その後の歯の再建にはブリッジやインプラントが選択されます。治療は長期間にわたり、複数の段階を踏みます。数ヶ月にわたることもあり、多くの場合は5〜7回以上の診療が必要です。

特にインプラントの場合、外科的手術が必要で、手術後の骨の統合を待つ期間もあるため、最終的な治療完了までに半年から1年以上かかることもあります。

抜歯が必要になった場合の治療期間

虫歯が進行して抜歯が避けられない場合、治療は「抜歯後の回復」と「欠損部の補綴治療」という2段階で進められます。抜歯自体は短時間で終わることが多いものの、歯ぐきや骨の治癒には数週間から数か月かかります。

その後、インプラントやブリッジ、入れ歯などの治療に移行する場合は、治療法ごとに追加期間が発生します。骨造成や調整が必要なケースでは半年以上かかることもあるため、早めの相談と計画的な通院が大切です。

インプラント治療にかかる期間

インプラント治療では、抜歯後の骨の治癒期間を含めて3〜6か月、症例によっては半年以上かかることもあります。手術による埋入後は、人工歯を装着し、噛み合わせを整えるまで複数の工程を踏むため、通院回数も比較的多くなるでしょう。また、骨の厚みや密度が足りない場合は骨造成を行うこともあり、その分治療期間が長くなる傾向にあります。

ブリッジ治療にかかる期間

ブリッジ治療は、隣の歯を支えとして人工歯を橋渡しする方法です。抜歯後の歯ぐきが安定したら、型取りや仮歯の装着、最終的なブリッジの装着という流れで進みます。

一般的には2〜3回の通院で完了し、期間は2〜4週間程度が目安でしょう。ただし、支えとなる歯の状態や噛み合わせの調整が必要な場合には、やや長くかかることもあります。

入れ歯治療にかかる期間

入れ歯治療（部分入れ歯・総入れ歯）は、抜歯後の治癒が確認された段階で型取りや装着、微調整を行うのが一般的です。調整回数が多いと1〜2か月かかることもありますが、前処置が少ない場合は比較的短期間で噛めるようになるでしょう。また、他の補綴治療に比べて早期に機能を回復できる点が大きな特徴といえます。

完治までにかかる期間の目安

虫歯治療で「完治までにどのくらいかかるのか」は、多くの患者が気になるポイントでしょう。進行度によって異なりますが、軽度であれば1〜2回の通院で済み、1週間以内に完了することもあります。中等度では2〜3回、1〜2か月が目安となり、神経や歯根に達した場合は5回以上、数か月かかるケースも珍しくありません。

さらに、抜歯が必要になった場合やインプラント・ブリッジなどの補綴を行うケースでは、全体で半年〜1年以上かかることもあります。そのため、治療を始める段階で完治までの目安を歯科医師と確認し、無理のない通院計画を立てておくことが大切です。