虫歯と歯周病の違いとは?症状や痛みの違い、予防方法も紹介

「虫歯と歯周病の違いは?」
「虫歯や歯周病の予防方法を知りたい」「虫歯、歯周病のセルフチェック方法は?」
歯の病気は全身疾患とも密接な関係があるため、異常が見られた際は早期対応が必要です。
そこで本記事では、虫歯と歯周病に関する冒頭の疑問について、詳しく解説していきます。
虫歯や歯の痛み、歯ぐきの腫れを治したいと思っている方は、ぜひ最後までご覧ください。
虫歯と歯周病の違いとは?
虫歯と歯周病は歯の主要な問題の2つです。
虫歯は放置すると穴ができ、神経に達するとしみることがあります。
一方、歯周病は歯茎周囲の炎症で、放置すると進行して歯を支える組織が損傷されます。
詳細は後述するので、それぞれ確認してください。
予防のためには、適切な歯磨きやフロスの使用、定期的な歯科検診が重要です。
虫歯の特徴
虫歯の特徴は以下の通りです。
原因
- 食事や飲み物から、あるいは口内の砂糖やデンプンを分解したことから酸が発生する
- 酸や細菌が歯の表面に侵食する
- 侵食によって虫歯が引き起こる
進行
- CO:要観察歯。歯を削る必要がなく、フッ素塗布によって歯の再石灰化を促すことで治療が可能。痛みを感じることは滅多にない。
- C1:エナメル質の虫歯。細菌がエナメル質に感染しており、歯を少しだけ削り、コンポジットレジンで充填することで治療が可能。痛みを感じることはほとんどない。
- C2:象牙質の虫歯。詰め物や被せ物の製作が必要。痛みや知覚過敏が生じることがある。
- C3:歯髄まで侵された虫歯。抜髄と呼ばれる神経組織の除去が必要。痛みや腫れがある場合が多い。
- C4:もっとも重症化した虫歯。抜歯する必要がある。神経が死滅しているため痛みは感じない。
主な治療法
保険適用の場合
- コンポジットレジン:歯の色に合わせて作られるレジンを、虫歯部分を削り取って詰め物をする方法。
- レジン前装冠:クラウン(被せ物)による治療方法。
保険適用外の場合
- ダイレクトボンディング:できるだけ自身の歯をなるべく残し、 虫歯部分を直接詰める方法。
- セラミック:セラミック製の被せ物で、見た目や耐久性に優れている。
歯周病の特徴
歯周病の特徴は以下の通りです。
原因
- 不十分な口腔衛生や喫煙などで歯垢と歯石が蓄積する
- 歯垢と歯石の蓄積によって細菌感染が起こる
- 細菌によって歯周病が引き起こる
進行
- 歯茎の腫れや出血、歯のぐらつきなどの症状が現れる
- 炎症が進むと歯槽骨が破壊される
- 最悪の場合は歯が抜ける
主な治療法
- 歯石除去
- 歯周ポケットの洗浄
- 手術(歯肉切除術)
- 抗生物質の使用
虫歯と歯周病の違い

ここからは、いよいよ虫歯と歯周病の違いについて解説していきます。
ここでは、以下の5つの項目別に紹介します。
- 症状が起こる箇所
- 症状
- 自覚症状
- 治療法
- 進行段階と痛みの違い
それぞれ見ていきましょう。
違い➀原因菌
虫歯と歯周病では、原因となる菌が異なります。
虫歯の場合、主な原因は虫歯菌にあります。
特に有名なのがミュータンス菌で、生まれたばかりの乳児の口の中にはほとんど存在しません。
口移しや食器の共有を通じて親から感染するのが一般的です。
ミュータンス菌は酸性の環境を好み、主に糖分をエサとして繁殖します。
一方、歯周病は歯周病菌が原因です。
さまざまな細菌が歯周病に関与しており、これらの細菌は歯垢の中に存在しています。
これらは酸素を苦手とする『嫌気性細菌』で、歯周ポケットのような空気に触れにくい部分で繁殖します。
違い②症状
虫歯と歯周病の違いのひとつは、症状です。
虫歯は歯の表面が侵食されるため、痛みや感度が生じます。
冷たい飲み物や甘いものを摂ると、しみたり痛んだりすることがあります。
一方、歯周病は歯茎や歯を支える骨の炎症により、痛みそのものはほとんどありません。
しかし、歯茎の腫れや出血、歯のぐらつきなどの間接的な症状が目立ちます。
違い③自覚症状
虫歯と歯周病の違いのひとつは、自覚症状です。
虫歯には痛みという明確な自覚症状があります。冷たい飲み物や甘いものを摂ると痛みやしみる感覚が出ることがあります。
一方、歯周病は口臭や歯ぐきの出血、歯のぐらつきなどの間接的な自覚症状で気づくことが多いです。
呼気や唾液の異常な臭いや、歯磨き後に出血がある場合は歯周病の兆候かもしれません。
早期発見と適切な処置が重要ですので、定期的な歯科検診がおすすめです。
違い④治療法
最後に解説する虫歯と歯周病の違いは治療法です。
虫歯の場合、削り取りや詰め物といった方法で歯を修復します。虫歯の進行具合によっては、歯の神経を取り除く根管治療が必要な場合もあります。
一方、歯周病の治療は主にクリーニングが基本です。
歯垢や歯石を除去し、歯周ポケットの清掃を行います。
重度の症例では歯肉移植や歯ぐきの再建手術も行われることがあります。
ただし、治療法は個人の状態によって異なるため、歯科医師の診断と指示に従うことが重要です。
違い⑤進行段階と痛みの違い
虫歯は、エナメル質から象牙質、さらに歯髄へと段階的に進行し、進むほど「しみる」「痛む」などの変化がはっきり現れるため、自覚して受診につながりやすい傾向があります。
一方で歯周病は、歯ぐきの腫れから始まり、歯槽骨などの支える組織が静かに壊れていく病気です。
しかも初期は痛みがほとんど出ないため、気づかないまま進行しやすい特徴があります。
こうした進み方の違いを理解しておくと、定期検診で早期に変化を見つけやすくなり、重症化のリスクを減らせるでしょう。
併発・リスク相互作用:虫歯と歯周病は関係あるの?
虫歯と歯周病は、それぞれ原因となる細菌は違いますが、どちらもプラークが関わる病気であり、同じ口内環境の影響を受けやすいという共通点があります。
そのため、歯周病が進んで歯がぐらつくと磨きにくい部分が増え、結果として虫歯のリスクが高まることがあります。
また、虫歯で歯の形が変わると汚れが残りやすくなり、歯ぐきの炎症につながることもあります。
このように、一方のトラブルがもう一方を招く場合もあるため、片方だけを気にするのではなく、両方に目を向けてケアする姿勢が大切です。
治療法比較:虫歯 vs 歯周病(治療内容・期間・費用の目安)
虫歯は進行段階に応じて、削って詰める処置や被せ物による修復を行い、比較的短い期間で治療が終わることが多い傾向があります。
一方、歯周病では歯ぐきの炎症を抑えるためのクリーニングから始まり、状態によっては歯周ポケットの奥を整える処置や外科的な治療が必要になる場合もあります。
そのため通院回数が増えたり、治療期間が長くなることも珍しくありません。
双方の違いを知っておくと、治療の見通しが立てやすくなり、不安を抱えずに通院を続けやすくなるでしょう。
年齢別で見る虫歯・歯周病の違い(子ども/若年/高齢者)
年齢によって虫歯と歯周病のかかりやすさは少しずつ変わります。
子どもの場合、甘いものを口にする機会が多かったり、磨き残しが生じやすかったりするため、虫歯が目立つことがあります。
若い世代では、生活リズムの乱れやストレス、口呼吸などの影響で、虫歯と歯周病のどちらにも注意が必要です。
高齢になると唾液量の低下や薬の影響で歯ぐきが弱くなり、歯周病が進みやすいといわれています。
こうした違いを知っておくと、年代に合わせて無理のないケアを選びやすくなり、お口の健康を守りやすくなるでしょう。
重症化するとどうなる?虫歯・歯周病の最終リスク
虫歯を放置すると、痛みが強くなるだけでなく、歯の神経にまで菌が到達し、根の先に炎症が起きて腫れや発熱につながる場合があります。
さらに進むと歯を残すことが難しくなり、抜歯が必要になることもあります。
一方の歯周病は、初期に痛みがほとんど出ないまま歯ぐきの奥で炎症が進み、歯を支える骨が少しずつ溶けていきます。
こうした状態が進行すると歯がぐらつき、最終的には自然に抜け落ちてしまうこともあります。
どちらも早期発見で負担を減らせるため、気になる症状がなくても定期的にチェックを受けておくと安心でしょう。
虫歯になりやすい方の特徴
虫歯になりやすい方には、以下の特徴があります。
【虫歯になりやすい方の条件】
- 遺伝の影響で歯質が弱い
- 磨き残しが多い
- 糖分を取りすぎている
- 口腔乾燥症である
- 飲食の時間が長い
- 歯並び・噛み合わせが悪い
- 口呼吸になっている
虫歯の主な原因は虫歯菌の繁殖です。
そのため、虫歯菌が繁殖しやすい環境があったり、十分に除去できなかったりすると、虫歯のリスクが高まります。
口腔乾燥症や口呼吸により口の中が乾燥している場合は、汚れを洗い流す唾液が不足するため、虫歯のリスクが高まります。
歯周病になりやすい方の特徴
歯周病になりやすい方には、虫歯とは異なる要因があります。
【歯周病になりやすい方の条件】
- 磨き残しが多い
- 歯ぎしり・食いしばりの癖がある
- 喫煙者
- 口呼吸になっている
- 定期検診に行っていない
- 糖尿病にかかっている
- 持病の薬を服用している
- 親が歯周病である
歯ぎしりや食いしばりの癖があると、歯茎にダメージが蓄積し、歯周病のリスクが高まります。
また、喫煙すると歯周組織に酸素が行き渡りにくくなり、歯周病のリスクが高まります。
さらに、糖尿病の方は細菌への抵抗力が低下しやすく、薬の副作用で歯肉が増殖しリスクが高まることもあります。
歯周病になりやすい体質を遺伝している方も注意が必要です。
虫歯や歯周病の予防方法
ここからは、虫歯や歯周病の予防方法を見ていきましょう。
主な方法は以下の4つです。
- フッ素入りの歯磨き粉を使う
- 正しい歯磨きを行う
- 定期検診を受ける
- 生活習慣を見直す
それぞれ解説していきます。
フッ素入りの歯磨き粉を使う
フッ素入りの歯磨き粉は虫歯や歯周病の予防に役立ちます。
フッ素は歯のエナメル質を強化し、酸による溶解を防ぐ効果があります。
また、フッ素は歯の再石灰化を促進するため、初期の虫歯を修復という点でも効果的です。
ただし、フッ素の過剰摂取は健康に影響を及ぼすことがあるため、歯科医師の指示に従って適切な使用量を守ることが重要です。
正しい歯磨きを行う
正しい歯磨きは虫歯や歯周病を予防するために重要です。
まず、適切な歯ブラシを使い、軽い力で歯全体を優しく磨きます。
とくに歯と歯ぐきの境目や奥歯の裏側など、汚れが溜まりやすい部分に注意しましょう。
歯間ブラシやフロスを使って歯と歯の間の汚れもしっかり取り除くことも大切です。
また、歯磨き後には口をきちんとすすぎ、フッ素入りのうがい薬を使うと効果的です。
予防を徹底することで、健康な歯を保つことができます。
定期検診を受ける
定期検診は虫歯や歯周病の早期発見と予防にとても重要です。
歯科医師は専門知識と経験を持ち、虫歯や歯周病の初期症状を見逃さずに診断してくれます。
定期的な検診では、歯のクリーニングや歯垢の除去などのプロフェッショナルな処置も受けられます。
また、歯科医師からのアドバイスや指導を受けることで、自宅でのケア方法や予防法も学べるでしょう。
関連記事:【習慣・食生活別】虫歯の予防方法
関連記事:歯医者の定期検診に通う頻度は?メリットと費用を知ろう
生活習慣を見直す
健康な歯と歯茎を維持するには、生活習慣の見直しが欠かせません。
【実施したい生活習慣の見直しポイント】
- 禁煙に努める
- ストレスをためない
- 適度に運動する
- バランスのよい食生活を意識する
- 十分な睡眠時間を確保する
- 酸性の食品や糖分を多く含む食事を控える
- 口呼吸である場合は意識して鼻呼吸に切り替える
- 食事の時間を決めてだらだら食べ続けない
虫歯や歯周病になってしまった場合、その原因は日々のケアや生活習慣にあることが多いと考えられます。
どの点を見直すべきか、自分の生活を振り返ることが大切です。
虫歯、歯周病のセルフチェック方法

虫歯や歯周病の正確な診断は、もちろん医師にしかできません。
しかし、歯科に今すぐ行くべきかの判断や、自分の状況を知ることで不安を取り除くことはセルフチェックリストを参照することでかないます。
ここからは、虫歯、歯周病、それぞれのセルフチェックリストを紹介していきます。
虫歯のセルフチェック方法
虫歯のセルフチェックリストは以下の通りです。
- 歯が白く濁ったように変色している
- 歯が黒く変色している
- フロスや糸ようじが引っかかる
- 歯と歯の間に食べ物が挟まりやすい
- 歯に穴が空いたり欠けたりしている
- 噛むと痛む
- 甘いものが歯にしみる
- 熱いものが歯にしみる
- 冷たいものが歯にしみる
- 日常生活をしているだけで歯がズキズキと痛む
以上に当てはまるものが1項目でもあれば、虫歯の可能性があります。
ただし、歯が黒くても虫歯ではない場合もあります。
虫歯か否かを判断するためにも、歯科で診てもらうようにしましょう。
歯周病のセルフチェックリスト
歯周病のセルフチェックリストは以下の通りです。
- 数年間歯科医院に行っていない
- 起床直後に口内が粘つく
- 歯の表面を爪などで拭うと白い歯垢が取れる
- 歯磨きをすると出血する
- 歯肉が赤く腫れている
- 歯と歯の間に食べ物が挟まりやすい
- 以前よりも歯が長くなった
- 以前よりも歯と歯の間に隙間ができた
- 以前よりも出っ歯になった
- 歯がぐらつく
- 冷たいものが歯にしみる
- 歯がむずむずする
以上に当てはまるものが1項目でもあれば、歯肉炎・歯周病の可能性があります。
関連記事:虫歯を自分で確かめる方法は?歯医者を受診すべき理由についても
虫歯と歯周病の違いは主に5つ
今回は、虫歯と歯周病の違いについて解説してきました。
虫歯は歯そのものに発生し、歯周病は歯の周辺組織に起こります。
虫歯は痛みが生じることがありますが、歯周病は痛みを感じない場合があります。
虫歯は削り取りや被せ物などの治療が行われますが、歯周病はクリーニングや歯ぐきの治療が主な方法です。
世航会デンタルオフィスでは、虫歯治療から予防歯科、歯周病治療まで、幅広い歯科治療を提供しています。受診の際はカウンセリングもしっかりと実施しているため、歯のことでお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。
コラム監修者
資格
- 医療法人社団世航会 理事長・歯学博士
- ICOI 国際インプラント学会 指導医
- UCLAインプラントアソシエーション理事
- JAID 常任理事
- 日本顎咬合学会 認定医
- 日本口腔インプラント学会所属
- 日本補綴歯科学会所属
- 日本歯科医師会 会員
- 東京都歯科医師会 会員
- 厚生労働省認定研修医指導医
略歴
- 1997年 明海大学 歯学部入学
- 2003年 同大学 卒業
- 2003年 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 顎口腔機能再構築学系 摂食機能保存学講座 摂食機能保存学分野 博士課程 入学
- 2006年 顎咬合学会 特別新人賞
- 2007年 同大学院 修了 歯学博士所得
- 2007年 東京医科歯科大学 歯学部附属病院 医員
- 2007年 世田谷デンタルオフィス 開院
- 2008年 医療法人社団世航会 設立
- 2013年 明海大学歯学部 保存治療学分野 非常勤助教
- 2014年 明海大学歯学部 保存治療学分野 客員講師
- 2015年 昭和大学歯学部 歯科矯正学分野 兼任講師
- 2016年 明海大学歯学部 補綴学講座 客員講師
- 2020年 日本大学医学部 大学院医学総合研究科生理系 入学
- 2025年 同大学院 修了 医学博士取得
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