虫歯治療にかかる費用の目安は?通院回数や自由診療のケースも確認虫歯治療にかかる費用の目安は?通院回数や自由診療のケースも確認

虫歯の治療費用は、虫歯の進行度合いによって変わります。軽度の場合は保険適用で比較的安価に抑えられることが多いですが、重度や末期になると治療内容が複雑になり、それに伴い費用も高くなる傾向にあります。
自由診療では、保険外の高額な治療も選択肢に入るため、さらにコストが上がる場合がありますが、その分、材質や技術にこだわった治療が可能です。
この記事では、虫歯治療の費用と選択肢、クリニックの選び方を紹介しています。早めの対応で、口内環境を健やかに保ちましょう。
虫歯治療にかかる費用
虫歯治療と言っても、治療が必要な虫歯の進行度によって費用は異なります。保険診療の場合、初診時は約3,500円程度を目安に、基本的な診断やレントゲン撮影が行われます。虫歯治療については、軽度から末期まで、およそ5,000円から20,000円の範囲で変動することが多いです。
この範囲内で具体的にどのような治療が行われるか、そして進行度別にかかる費用の違いについて解説していきます。
軽度
初期の虫歯である「C0」段階では、エナメル質が溶け始めただけで、まだ痛みなどの自覚症状はありません。この段階では、虫歯を削り詰め物を固める、口内クリーニング、フッ素塗布が主な治療で、約1,500円から3,000円の費用がかかります。この段階で治療を行えば、歯を長く健康に保つことができます。
中度
C1からC2にかけての中度の虫歯では、エナメル質を超え、象牙質が侵され始めます。ここでは削った後に樹脂や銀歯といった詰め物で、穴を埋める治療が必要となります。保険適用で2,000円から10,000円程度かかり、治療範囲が広がるとそれに伴い費用も増加します。
重度
重度のC3段階では、虫歯が歯の神経に達しているため、痛みが激しくなります。この段階での治療は神経を取り除く処置や、その後の根管治療が必要となり、費用は保険適用で7,000円から20,000円程度になります。また、複数回の通院が必要になることも覚悟しなければなりません。
関連記事:根管治療とは?費用の相場や安く治療を受けるポイントを解説
末期
最終段階のC4では、歯が機能を果たせないほど破壊されています。ここまで進行すると抜歯が必要になり、その後の入れ歯やブリッジ、インプラントなどの治療にはさらに高額な費用が必要です。入れ歯やブリッジは保険診療で7,000円から20,000円ほどです。
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虫歯治療の通院回数
虫歯治療を行う場合、どの程度の通院回数がかかることになるのでしょうか。
これは、虫歯がどの段階まで進行しているのかによって大きく変わることになります。
ここでは、通院回数の目安を紹介します。
軽度の虫歯の通院回数
軽度の虫歯といえば、まだエナメル質までしか虫歯が進行していない段階です。
非常に初期の虫歯であれば、削る治療をする必要もなく、簡単なクリーニングや歯石除去のみで済むこともあります。
エナメル質のみに生じている小さな虫歯であれば、通院に必要な回数は1~2回程度です。
虫歯になっている本数が多い場合は通院回数が増えることも予想されますが、それでも中度・重度の虫歯と比較して非常に簡単な治療で済みます。
可能であれば初期段階の軽度のうちに虫歯治療を済ませておきましょう。
中度の虫歯の通院回数
虫歯が中度の段階になると、エナメル質のみではなく、その奥にある象牙質と呼ばれる部分にまで進行しています。
週に2回通ったと考えて1週間程度は治療期間を見ておきましょう。
現在虫歯になっている部分をしっかりと取り除き、被せ物の型取りをし、それを取り付ける治療が行われることになります。
中度の虫歯になると痛みを感じる方が多いので、痛みに気づいたら早い段階で治療に進みましょう。
重度の虫歯の通院回数
重度の虫歯は象牙質よりもさらに奥にある歯髄(しずい)と呼ばれる部分に虫歯が進行しています。
この段階になると虫歯は神経まで達しており、場合によっては歯を残すのが難しくなることもあるので、注意が必要です。
治療にかかる通院回数は、1本につき3回以上が目安です。
神経と虫歯を取り除き、根管治療と呼ばれる歯の根の洗浄作業も行わなければなりません。
歯の根の状態が悪ければ繰り返し根管治療を行わなければならないため、その分、時間と費用の負担が大きくなります。
抜歯が必要な虫歯の通院回数
重度に分類される虫歯の中でも状況がよくない場合は、歯を残すのは難しいため、抜歯が必要です。
特に虫歯が歯根部に達した場合はほぼ神経が破壊されている状況にあり、多くのケースでは歯は残せません。
抜歯は1日で済みますが、抜歯した部分の歯を何らかの方法で補わなければならないため、補う治療に必要な通院回数や時間がかかると考えておきましょう。
必要な時間や通院回数は、選択する方法によって異なります。
部分入れ歯やブリッジであれば比較的少ない回数で済みますが、外科手術を伴うインプラントを選択する場合は、数か月から1年近くかかることもあります。
自由診療の虫歯治療にかかる費用
自由診療では、詰め物や被せ物、入れ歯、ブリッジ、インプラントなどにおいて、審美的な仕上がりを重視することが可能です。これらの治療にかかる費用は、種類や材料、技術によって変動しますが、一般的な相場としては以下のようになります。
関連記事:虫歯治療の詰め物・被せ物種類一覧
詰め物
詰め物に関しては、ゴールドインレーなどの金属製のもの、ジルコニア、セラミック製のものがあり、費用は50,000円から70,000円程度です。これらの詰め物は耐久性や審美性に優れ、長期的な視点で見た場合に、経済的なメリットをもたらす場合があります。
被せ物
被せ物に関しては、ゴールドクラウンやメタルボンド、オールセラミッククラウンなどがあり、費用は60,000円から130,000円程度となります。自然な見た目と優れた機能性を兼ね備え、特にオールセラミックは最も自然な仕上がりを求める方に選ばれます。
入れ歯
入れ歯の場合、自由診療では高価な素材を使用する、フィット感や審美性に優れたものを選ぶことができます。部分入れ歯であれば100,000円から600,000円、総入れ歯であれば150,000円から500,000円程度が相場です。審美性や機能性を重視しており、長期的な満足度を追求したい方に適しています。
ブリッジ
ブリッジにおいても、ゴールドやジルコニア、オールセラミックなどの高品質な素材を選ぶことができます。これにより、天然歯に近い見た目と機能を得ることが可能で、費用は1本あたり50,000円から150,000円程度になります。
インプラント
インプラントですが、自由診療の中でも特に高額な治療オプションです。1本あたりの費用は300,000円から400,000円程度が一般的で、根本的な治療としての選択肢となります。
虫歯治療が高額となるケース
虫歯治療にどの程度の費用がかかるかは人それぞれです。
ですが、治療費が高額になりやすいケースがあります。
虫歯が進行しているケース、治療する虫歯の本数が多いケース、前歯に被せ物を装着するケース、自由診療で治療を受けるケースなどは、特に治療費が高額になりやすいといえるでしょう。
それぞれ解説します。
ケース①虫歯が進行している
非常に初期の段階で虫歯に気づいて治療ができれば、数千円程度の治療費で済みます。
複雑な治療が必要になることもなく、1~2回程度の通院で終わるので、時間もかかりません。
一方、虫歯が進行し、中度や重度と呼ばれる段階になると、治療が長引きます。
保険診療の範囲内で治療を行ったとしても、虫歯の本数が多ければ1万円を超える治療費がかかることも珍しくありません。
状況によっては数十万円の治療費がかかることもあります。
治療費が心配でなかなか歯医者に通えないと考えている方もいるはずです。
ですが、治療が遅れて虫歯が進行するほど高い費用がかかることになります。
いち早く治療を開始するのが治療費を抑えるためのポイントといえるでしょう。
ケース②治療する虫歯の本数が多いケース
治療する虫歯の本数が多ければ、1本のみ治療する場合と比較して高い治療費がかかることになります。
虫歯治療だけで済めば大きな費用はかかりませんが、歯を失って入れ歯やブリッジ、インプラントが必要になると治療費は大きく膨らみます。
複数本虫歯がある場合は、それらを同時進行で治療していくことも可能です。
ですが、経済的な負担が増えるため、注意が必要です。
ケース③前歯に被せ物を装着するケース
奥歯と比較すると、前歯は治療費が高額になることがあります。
特に、見た目を気にして保険診療の範囲内で選択できる素材ではなく、セラミックやジルコニアといった保険適用外の素材を選択するケースです。
1本あたり数万円~10数万円の費用がかかることもあります。
ただ、前歯は人と話をしている際に目に入りやすい部分ともいえるので、妥協しにくい部分です。
どこまで見た目の美しさにこだわるかによってもかかる費用は変わります。
前歯が虫歯になった場合は、自分の場合どの程度の治療費がかかるのか、歯医者で事前によく確認しておきましょう。
ケース④自由診療で治療を受けたケース
保険診療であればどの歯医者で治療を受けても費用は変わりません。
一方、各歯医者で独自に費用を設定している自由診療で治療を受けた場合は、治療費が高額になりやすいといえます。
保険診療の範囲内で認められるのは、最低限の機能を回復させるための治療のみです。
そこに耐久性や審美性なども追求するとなれば保険診療では認められず、自由診療について検討しなければなりません。
ですが、その分費用が高額になってしまうので、自身が歯科治療にかけられる費用も考えながらどの治療を受けるか検討することが重要です。
虫歯治療するクリニック選びのポイント
虫歯治療を控えている方が質の高いクリニックを選ぶためには、いくつかの重要なポイントがあります。まずは充実した設備を有し、衛生管理が徹底されているかどうかを確認することが重要です。また、豊富な治療実績があるクリニックは、より複雑なケースに対応可能です。
丁寧なカウンセリングを行い、患者さんの不安を解消してくれる歯科医師の存在も大切です。そして、アフターケアや予防歯科に注力しているかどうかも、クリニック選びの重要な基準となります。これらのポイントを押さえ、個々のニーズに合致するクリニックを選べるようにしましょう。
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虫歯はすぐに診せに行こう
いかがでしたでしょうか?虫歯治療にかかる費用について、軽度から末期まで虫歯の段階ごとの費用がおわかりいただけたかと思います。また、自由診療は費用を上げる一方で、より高品質な治療を望む方にとっての選択肢となることもご理解いただけたでしょう。
虫歯は進行すると治療費が高くなるだけでなく、健康へのリスクも増大するため、初期段階での診察が非常に重要です。本記事を参考に、適切な時期に適切な治療を受け、健康な歯を維持しましょう。
世航会デンタルオフィスでは虫歯治療から予防歯科、歯周病治療まで、歯科治療を幅広くご提供しています。不安なく治療を受けていただけるよう、カウンセリングもしっかりと実施。歯が痛いと感じられている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

コラム監修者
資格
- 医療法人社団世航会 理事長・歯学博士
- ICOI 国際インプラント学会 指導医
- UCLAインプラントアソシエーション理事
- JAID 常任理事
- 日本顎咬合学会 認定医
- 日本口腔インプラント学会所属
- 日本補綴歯科学会所属
- 日本歯科医師会 会員
- 東京都歯科医師会 会員
- 厚生労働省認定研修医指導医
略歴
- 1997年 明海大学 歯学部入学
- 2003年 同大学 卒業
- 2003年 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 顎口腔機能再構築学系 摂食機能保存学講座 摂食機能保存学分野 博士課程 入学
- 2006年 顎咬合学会 特別新人賞
- 2007年 同大学院 修了 歯学博士所得
- 2007年 東京医科歯科大学 歯学部附属病院 医員
- 2007年 世田谷デンタルオフィス 開院
- 2008年 医療法人社団世航会 設立
- 2013年 明海大学歯学部 保存治療学分野 非常勤助教
- 2014年 明海大学歯学部 保存治療学分野 客員講師
- 2015年 昭和大学歯学部 歯科矯正学分野 兼任講師
- 2016年 明海大学歯学部 補綴学講座 客員講師
- 2020年 日本大学医学部 大学院医学総合研究科生理系 入学
- 2025年 同大学院 修了 医学博士取得
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