【習慣・食生活別】虫歯の予防方法

「虫歯を予防する方法は?」
「虫歯を早期発見する方法や虫歯治療の費用が知りたい」
「そもそも虫歯ってどうしてなるの?」
ビジネスマンであれば見た目の清潔さは非常に重要。
くわえて、歯は健康寿命を支えているともいわれており、自己投資としてはコスパが高いともいえるでしょう。
そこで本記事では、虫歯に関する冒頭の疑問について詳しく解説していきます。
虫歯や歯の痛み、歯ぐきの腫れを治したいと思っている方は、ぜひ最後までご覧ください。
そもそも虫歯ってどうしてなるの?

虫歯は、口内に常在する細菌が食べ物から来る砂糖を酸に変えるプロセスから生じます。
この酸が歯の硬いエナメル質を解して小さな穴を作り始めるわけです。
穴が深くなるにつれて、より柔らかい象牙質へと侵食が進み、最終的には痛みを伴う歯髄の炎症や感染症を引き起こすリスクが高まります。
そのため、歯を健康に保つためには、定期的な歯磨きと適切な食生活が非常に重要です。
関連記事:虫歯の初期症状と症状が現れたときの適切な対処法について
歯の質や体質が虫歯リスクに与える影響
虫歯が発生する原因は、口腔内の環境だけでなく、個人の歯の質や体質にも関係しています。
例えば、歯のエナメル質が薄いと、酸に対する耐性が低下し、虫歯のリスクが高くなります。
体質によって糖分の代謝や免疫力の違いがあり、これも虫歯になりやすさに影響を与えます。
自分の歯の質や体質を理解し、それに合った予防方法を取ることが、虫歯を防ぐためには重要です。
さらに、歯の質や体質に合わせて、定期的なチェックアップを受けることで、より効果的な予防が期待できます。
健康的な食生活と適切なケアを維持することも、虫歯リスクを減らすために重要な要素となります。
子どもの歯を守るために大切なこと
子どもにとって、虫歯を予防するための早期の習慣づけは非常に重要です。
乳歯が生えたら、毎日の歯磨きを欠かさず行うことが基本です。
最初は親が手伝い、徐々に自分で歯磨きができるようにサポートしていきましょう。
毎日の歯磨きだけでなく、食後の歯磨きが特に大切です。甘いお菓子やジュースの摂取を控えめにし、食後は水で口をすすぐ習慣をつけることが予防につながります。
さらに、定期的な歯科検診を受けることで、虫歯が進行する前に早期発見が可能になり、予防効果が高まります。
歯科医師と一緒に、子どもの歯の健康を守るために必要なケア方法を確認していきましょう。
大人になってから気をつけたい虫歯のサイン
大人になってからの虫歯は、進行が早く、症状が軽微なうちに発見することが非常に重要です。
歯の表面に白い斑点が現れる初期段階の虫歯や、冷たいもの、甘いものを摂取したときに歯がしみる場合は、虫歯の兆候です。
また、歯の痛みがないからといって放置するのは非常に危険です。
初期の虫歯は治療が簡単であり、進行してしまうと治療費も高額になり、治療が難しくなることもあります。
定期的な歯科検診を受けることで、虫歯の早期発見が可能になりますので、虫歯の兆候を感じたら早めに歯科医師に相談することをお勧めします。
虫歯に罹患している人の数
次に、虫歯に罹患している人の数を年代別に見ていきましょう。
- 5歳〜9歳(乳歯):4割以上
- 5歳〜14歳(乳歯・永久歯混合):4割〜7割
- 5歳〜9歳(永久歯):1割
- 20歳以上(永久歯):9割以上
子供の罹患率、とくに永久歯の罹患率は低いものの、成人のほとんどが軽度以上の虫歯を患っています。
虫歯を予防する方法
ここからはいよいよ、虫歯を予防する方法を解説していきます。
ここでは網羅的に、以下の5つを紹介します。
- 口腔ケア、正しい歯磨き
- 食生活
- 十分な睡眠
- ストレスをためない
- メンテナンス
それぞれ見ていきましょう。
口腔ケア、正しい歯磨き
正しい歯磨きは、虫歯を予防する基本的な口腔ケアです。
歯ブラシを歯肉に当て、小刻みな動きでプラークを除去しましょう。
また、フッ素入り歯磨き粉を使用し、1日2回、食後に丁寧に磨くことが推奨されています。
定期的な歯磨きは、歯と歯肉を健康に保ち、虫歯のリスクを大幅に減少させる効果をもたらします。
歯磨きにくわえて、フロッシングも行うと良いでしょう。
口腔内を乾燥させないように意識することも重要です。
関連記事:歯磨きしているのに虫歯になるのはなぜ?対策方法も紹介
食生活
虫歯は食生活でも予防できます。
「お菓子ばかり食べていると虫歯になる」という話を、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
そこで、虫歯の原因となる食品の例、なりにくい食品の例を一覧で確認しましょう。
虫歯の原因となる食品
虫歯の原因となる食品は以下の通りです。
- 歯にくっつきやすいもの:キャラメル、チューイングキャンディ、ドライフルーツなど
- 糖分多く含むもの:チョコレート、クッキー、ジュースなど
- 長時間口内に残るもの:ガム、キャンディなど
- 極度に硬いもの:スルメ、煎餅など
- 酸性のもの:レモン、オレンジなど
虫歯になりにくい食品
逆に、虫歯になりにくい食品の例は以下の通りです。
- 歯にくっつきにくいもの:煎餅、ナッツなど
- 糖分をあまり含まないもの:砂糖不使用のお菓子、青魚、チーズなど
- 長時間口内に残らないもの:ヨーグルト、ゼリーなど
- 食物繊維が多いもの:根菜、豆類、海藻など
自分に合った歯ブラシを選ぶポイント
歯ブラシを選ぶ際は、手にフィットする歯ブラシを選ぶことで、磨きやすさが格段に向上します。
また、毛先が細かくなっているものを選ぶと、歯と歯茎に優しく、細かい部分までしっかりと磨くことができます。
さらに、毛先が広がってしまうと磨きにくくなるため、定期的に歯ブラシを交換することを忘れずに行いましょう。
歯ブラシの硬さは、柔らかめのものを選ぶと、歯や歯茎を傷つけずに優しく磨くことができ、特に歯茎が敏感な人にはおすすめです。
お口のサイズに合ったヘッドの大きさを選びましょう
歯ブラシのヘッドサイズを選ぶ際には、口の中で使いやすいサイズを選ぶことが非常に重要です。
小さめのヘッドの歯ブラシは、奥歯までしっかりと届きやすく、歯の隅々まで磨くことができます。
これにより、磨き残しが減り、虫歯や歯周病の予防につながります。
大きなヘッドの歯ブラシでは奥歯や歯茎の隅まで届きにくいため、小さめのヘッドを選ぶことで、より精密な磨きが可能になります。
毛先の形によって磨き心地が変わります
歯ブラシの毛先の形状は、歯磨きの効果や磨き心地に大きく影響を与えます。
丸い毛先や細い毛先の歯ブラシは、歯や歯茎に優しく、過度な摩擦を防ぐため、歯茎を傷つけにくく、敏感な歯や歯茎を保護することができます。
毛先が丸いタイプの歯ブラシは、歯にしっかりとフィットし、滑らかに磨くことができ、細い毛先の歯ブラシは、歯と歯の間や歯茎の境目に届きやすいため、汚れを取り除きやすいという利点があります。
食生活
よく噛むことで得られる虫歯予防の効果
よく噛むことは、虫歯予防に非常に効果的な方法です。
食べ物をしっかりと噛むことで唾液の分泌が促進され、唾液は口内の洗浄作用を高め、食べかすや細菌を取り除く役割を果たします。
さらに、唾液には虫歯の原因となる酸を中和する効果があり、歯の表面を守るために重要な働きをしています。
しっかりと噛むことで、歯にかかる負担が均等に分散され、歯や歯茎に過度な圧力がかかることを防ぎ、歯の健康を維持するのに役立ちます。
食後の水分補給で口の中を清潔に保ちましょう
食後に水分を摂ることは、口内を清潔に保つための効果的な方法です。
特に、甘いお菓子や酸性の食べ物を摂取した後は、糖分や酸が歯に残り、虫歯の原因となる可能性が高くなります。
こうした食べ物を摂った後に水を飲むことで、糖分や酸を効率よく洗い流し、歯の表面が酸にさらされる時間を短縮することができます。
これにより、虫歯や歯周病のリスクを大幅に減らすことができ、口腔内の健康を守るために非常に効果的です。
寝る前の飲食で気をつけたいポイント
寝る前の飲食は、虫歯のリスクを高めるため注意が必要です。
特に、甘いものや酸性の飲み物は、歯のエナメル質を溶かす原因となり、虫歯を引き起こしやすくなります。
これらの食品や飲み物は、口腔内に残りやすく、睡眠中に歯を侵食し続けることがあります。
寝る前の1時間は飲食を控え、食事やおやつを摂った場合は、必ず歯磨きを行ってから就寝することが非常に重要です。
このため、寝る前に口腔ケアをしっかり行うことが特に大切です。
キシリトールガムを活用
キシリトールガムは、虫歯予防に効果的なアイテムとして広く注目されています。
食後にガムを噛むことで唾液の分泌が促進され、口腔内のpHが中和され、酸による歯の脱灰を防ぎます。
このプロセスによって歯のエナメル質を保護し、再石灰化を促進します。
効果的に摂取するには、「1g・5分・5回」が理想的です。
1回の摂取量を1gに抑え、1日5回に分けて摂取することで、口内環境を安定させることができます。
また、キシリトールには強い抗菌作用があり、虫歯の原因となるミュータンス菌の活動を抑制します。
日常的にキシリトールガムを取り入れることで、虫歯のリスクを低減させ、口腔内を清潔に保つことができます。
十分な睡眠
十分な睡眠は免疫システムを強化し、口内環境を整えることで虫歯予防に役立ちます。
逆に睡眠不足は唾液の分泌量を減少させ、細菌の増殖を抑制する唾液の自浄作用が低下するので注意しましょう。
また、質の良い睡眠はストレスを軽減し、ストレスによる過度な食事や間食、とくに糖分の多い食品の摂取を防ぎます。
そのため、規則正しい生活とともに適量の睡眠を確保することで、虫歯予防に間接的ながらも重要な効果をもたらします。
ストレスをためない
ストレスをためないことは、虫歯予防にとっても非常に有効な手段です。
ストレスが原因で唾液の分泌が減少すると、口内環境が乾燥し、細菌が繁殖しやすくなってしまいます。
この状態が続くと、虫歯や口内炎などのリスクが増加します。
くわえて、高いストレスレベルは食生活の乱れを引き起こし、甘い飲食物への過剰摂取につながるリスクも。
日々の適度なリラックスや趣味の時間を持つことで、ストレスを軽減し、健康な口内環境を保つことに役立てましょう。
メンテナンス
もちろん、クリニックでの定期的なメンテナンスも虫歯予防に非常に大切です。
プロの歯科衛生士によるクリーニングは、自分では届きにくい部分のプラークや歯石を徹底的に取り除きます。
これにより虫歯の発生や歯肉炎のリスクが低減され、初期の虫歯を早期に発見することも可能です。
また、歯科医師からの個別のアドバイスやフッ素塗布など、家庭でのケアだけでは得られない予防処置が受けられます。
定期的な歯科診察は、口腔内の健康を長期間維持するうえで欠かせない要素です。
関連記事:歯医者の定期検診に通う頻度は?メリットと費用を知ろう
虫歯を早期発見する方法
虫歯の早期発見は、鏡を使って定期的に自分の歯をチェックすることから始めましょう。
白っぽい斑点や黒ずんだ箇所が見えたら、それが虫歯の初期兆候である可能性があります。
デンタルフロスを使用することも効果的です。
フロス使用後に痛みや出血があれば、問題があるサインかもしれません。
しかし、一番確実なのは定期的に歯科クリニックを訪れ、専門家による検査を受けることです。
関連記事:虫歯を自分で確かめる方法は?歯医者を受診すべき理由についても
虫歯治療の費用

虫歯の治療にかかる費用は、ステージによって異なります。
また、保険適用有無によっても異なりますが、ここでは表として一覧で見ていきましょう。
| 進行度 | 概要 | 費用(保険適用) | 費用(自費診療) |
| CO | 要観察歯(虫歯が歯のエナメル質をわずかに溶かしている段階) | - | - |
| C1 | エナメル質の虫歯:軽度(虫歯菌がエナメル質内部にのみ影響) | 約1,500〜3,000円 | -(基本的に保険適用) |
| C2 | 象牙質の虫歯:中度(エナメル質を超えて象牙質に影響) | 約2,000〜10,000円 | 約30,000〜60,000円 |
| C3 | 神経まで侵された虫歯:重度(菌が神経がある部分まで到達した状態) | 約3,000〜20,000円 | 約10,000〜15万円 |
| C4 | 歯冠が崩壊した虫歯(神経などを含む歯髄が完全に破壊されている最終段階) | 約1000〜3000円 | -(基本的に保険適用) |
虫歯の主な予防方法は5つ
虫歯予防のためには、正しい歯磨きと口腔ケアが基本で、とくに食後の歯磨きは大切です。
バランスの良い食生活を心掛け、糖分の摂取は控えめにしましょう。
十分な睡眠とストレス管理も虫歯リスクを低下させる重要な要素です。
くわえて、定期的な歯科クリニックでのメンテナンスを受けることで、未然に問題を防ぎましょう。
コラム監修者
資格
- 医療法人社団世航会 理事長・歯学博士
- ICOI 国際インプラント学会 指導医
- UCLAインプラントアソシエーション理事
- JAID 常任理事
- 日本顎咬合学会 認定医
- 日本口腔インプラント学会所属
- 日本補綴歯科学会所属
- 日本歯科医師会 会員
- 東京都歯科医師会 会員
- 厚生労働省認定研修医指導医
略歴
- 1997年 明海大学 歯学部入学
- 2003年 同大学 卒業
- 2003年 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 顎口腔機能再構築学系 摂食機能保存学講座 摂食機能保存学分野 博士課程 入学
- 2006年 顎咬合学会 特別新人賞
- 2007年 同大学院 修了 歯学博士所得
- 2007年 東京医科歯科大学 歯学部附属病院 医員
- 2007年 世田谷デンタルオフィス 開院
- 2008年 医療法人社団世航会 設立
- 2013年 明海大学歯学部 保存治療学分野 非常勤助教
- 2014年 明海大学歯学部 保存治療学分野 客員講師
- 2015年 昭和大学歯学部 歯科矯正学分野 兼任講師
- 2016年 明海大学歯学部 補綴学講座 客員講師
- 2020年 日本大学医学部 大学院医学総合研究科生理系 入学
- 2025年 同大学院 修了 医学博士取得
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