歯周病になりやすい人となりにくい人の違いとは?特徴と予防方法を紹介!

歯周病になると歯が抜け落ちたり、糖尿病などほかの病気を引き起こしたりする可能性があるため、不安に感じてしまいます。
歯周病になりやすい人の特徴を知れば、何か対策を打てるかもしれません。
そこで、この記事では歯周病に対して不安を抱える方に向けて、歯周病になりやすい人となりにくい人の違いや歯周病にならないための対策について解説します。
歯周病の原因
歯周病の原因は、口の中における歯周病菌の繁殖です。
歯周病菌は口の中に常にいる細菌で、歯磨きなどの口腔ケアを適切にして細菌の数をコントロールできていれば、病気を起こす心配はありません。
しかし歯磨きを正しくしておらず食べかすや歯垢(プラーク)を取り除けていなかったり、免疫機能が低下したりすると、歯周病菌が繁殖し、歯周組織に定着します。
その結果、歯周病を発症し歯ぐきに炎症が起き、腫れや痛みを生じます。
歯周病かも?よくある症状セルフチェック
歯周病は初期段階では痛みなど自覚しづらいことがあり、症状に気づかないまま進行することが少なくありません。
毎日の生活の中で感じる違和感は、実は歯周病のサインである可能性があります。
ここでは、歯ぐきや口の中に現れる代表的な症状をセルフチェックとして紹介することで、早期発見と早めの対策につなげられるように解説します。
歯ぐきの腫れ・出血(歯みがき時に血が出るなど)
歯みがき中に歯ぐきから血が出る、歯ぐきが赤く腫れているといった症状は、歯周病の典型的な初期サインとしてよく見られます。
歯周病は歯を支える歯ぐきや骨に炎症が起きる病気で、出血や腫れは炎症による反応です。
普段から歯みがきをしているのに出血がある場合は、単なる磨きすぎや刺激だけとは言い切れません。
こうした症状が続くと炎症が進行しやすくなり、やがて歯周病が進んでしまうこともあります。
心当たりがあれば、この後の項目と合わせてチェックし、必要なら歯科医院で相談すると安心です。
口臭・朝起きたときのネバつき
慢性的な口臭や、朝起きたときに口の中がネバつくと感じる場合も、歯周病の兆候であることがあります。
歯周病が進むと、歯と歯ぐきの間に細菌が溜まりやすくなり、その細菌が臭いの元となるガスを発生させることがあるためです。
また、口の中がネバつく感覚は、歯周病の可能性がある症状の一つとされており、注意が必要なサインとして捉えられることもあります。
このような状態は自覚しにくいため、身近な人に指摘されて初めて気づく場合も少なくありません。
口臭やネバつきが気になってきたときには、セルフケアだけに頼らず歯科のチェックを受けることが大切です。
歯がグラつく/歯ぐきが下がった気がする
歯が以前よりグラグラする、歯ぐきが下がって歯が長く見える、といった変化を感じる場合は、歯周病がある程度進行している可能性があります。
歯周病は歯を支える骨や歯ぐきの組織が破壊されていく病気で、初期には痛みを感じないことが多いものの、進行することで歯が動きやすくなってしまうのです。
また、歯ぐきが下がることで歯根が露出し、しみる症状が出ることもあります。
これらは単なる老化のサインではなく、細菌による炎症が関わっていることもあるため、自分で感じた違和感は軽視せず、専門家に調べてもらうことが重要です。
受診の目安(チェックが複数ある場合)
上で挙げたような症状が複数当てはまる、あるいは症状が長く続いている場合は、歯周病がかなり進んでいる可能性があります。
特に歯ぐきの出血や腫れに加えて、口臭や歯の動揺まで感じるようであれば、早めに歯科医院で検査を受けることが大切です。
歯周病は痛みが出にくいため、気づいたときには進行しているケースも珍しくありません。
日頃から定期検査を受ける習慣があると、こうした変化に早く気づきやすくなりますし、重症化する前に適切な治療やケアを受けられるようになります。
セルフチェックで不安が残る場合は、専門家の判断を仰ぐことが安心につながります。
歯周病になりやすい人の特徴

まずは歯周病になりやすい人の特徴を見てみましょう。
自身に当てはまっている項目がないか確認してみてください。
正しい方法で歯磨きしていない
毎日歯磨きをしていても、食べかすや歯垢(プラーク)をしっかり取り除けていないと、歯周病菌が繁殖する原因になります。
とくに寝ている間は歯周病菌が繁殖しやすく、寝る前に歯磨きがうまくできていないと歯周病になるリスクが高くなります。
歯並びや噛み合わせが悪い
歯並びや噛み合わせが悪いとブラッシングしにくい場所が多くなり、磨き残しになりがちです。
また歯と歯の間や歯ぐきとの間に歯垢が溜まりやすくなり、歯周病菌が繁殖しやすくなります。
歯並びが悪い場合には、とくに念入りに歯磨きをする必要があるでしょう。
歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしりや食いしばりでは歯に大きな力が加わるため、歯や歯ぐきにダメージが蓄積します。
その結果、歯周組織に炎症が起きやすくなり、歯周病になりやすくなってしまうでしょう。
とくに歯は横方向の力に弱く、ギシギシと横に動かして歯ぎしりをしている場合に歯への影響が大きいとされています。
煙草を吸う
煙草の煙には4000以上の化学物質が含まれており、さまざまな病気のリスク因子と言われています。
とくに口腔においては、煙草に含まれる一酸化炭素が歯周組織へ酸素を届きにくくしたり、ニコチンが免疫に関わる白血球の働きを抑えたりします。
その結果、歯周病にかかりやすくなり、治療を開始しても治りにくくなるのです。
日本臨床歯周病学会のデータによると、1日10本以上煙草を吸うと歯周病になるリスクが5.4倍、10年以上煙草を吸っている方の場合4.3倍にも上昇することが報告されています。
口呼吸で乾きやすい
口呼吸で口の中が乾燥していると、歯周病菌が繁殖し歯周病になりやすくなります。唾液には殺菌消毒する働きがあり、口呼吸によってその働きが抑えられてしまい、歯周病菌が繁殖してしまうのです。
また口呼吸は、鼻呼吸のように鼻毛や鼻粘膜といったフィルターがなく、空気中のウイルスや細菌を直接体の中に取り込んでしまいます。
口呼吸によって体の免疫機能が低下し、歯周病菌に対する抵抗力が落ちる可能性があります。
定期健診に行っていない
歯にトラブルが起きたり、痛みを感じたりしたときにだけ歯医者を受診する方もいらっしゃるのではないでしょうか。
歯医者の定期健診に行っていないと、普段の歯磨きでは取り除けていない汚れや歯石が残ったままになってしまい、歯周病の原因となってしまいます。とくに歯石は歯と歯の間にこびりついており、歯磨きによるブラッシングでは取り除くことが難しいため、定期健診で専用器具を用いて除去してもらう必要があります。
関連記事:歯医者の定期検診に通う頻度は?メリットと費用を知ろう
糖尿病にかかっている
糖尿病にかかっている場合、細菌への抵抗力や体の修復力の低下が起こるため、歯周病菌が繁殖しやすい環境となっています。
実際、血糖値が正常な方に比べて、糖尿病にかかっている方の歯周病新規発症率は約2.6倍というデータも。
糖尿病の方は歯周病になりやすいだけではなく、血糖のコントロールがうまくできていないと、歯周病が重症化しやすいとも言われています。
さらに歯周病になると糖尿病が悪化することも分かっており、悪循環に陥ってしまう可能性があります。
降圧剤・抗てんかん薬、免疫抑制剤などの薬の服用
持病の治療で、降圧剤や抗てんかん薬、免疫抑制剤などを服用している場合、副作用で歯肉増殖が起きることがあります。
歯肉増殖によって歯と歯の間の歯ぐきが腫れて歯ブラシの届かない場所が多くなると、磨き残しが増え、歯周病が増えやすくなってしまいます。
とくに「カルシウム拮抗薬」と呼ばれる種類に分類される薬は、高血圧症に対して処方される機会の多い薬ですので、注意が必要です。
親が歯周病にかかっている
歯周病自体は遺伝しませんが、歯周病になりやすい要因は遺伝する可能性があると言われています。
たとえば、免疫不全や糖尿病です。
生まれつき免疫機能が低かったり、糖尿病の遺伝的要素を持っている方が糖尿病にかかり免疫力が落ちたりしている場合、歯周病になりやすい体質だと言えるでしょう。
歯周病になりにくい人の共通点
同じ環境でも、歯周病になりやすい人とそうでない人がいるのは事実です。
歯周病になりにくい人には日々のセルフケアが行き届いているだけでなく、生活習慣全体が整っているという共通点が見られます。
この章では、リスクを抑えて歯周病を予防しやすい人の特徴を具体的に示しながら、日常生活で参考にしたいポイントをわかりやすく解説します。
歯ブラシ+歯間ケア(フロス/歯間ブラシ)まで習慣化している
歯周病になりにくい人は、歯ブラシによる基本的なケアに加えて、フロスや歯間ブラシなどを使った歯間ケアを日常的に行っていることが多いです。
歯と歯の間や歯ぐきの境目は歯ブラシだけでは汚れが残りやすく、細菌が溜まりやすい場所です。
そのため、こうした部分まできちんと清掃することによって、歯周病菌の住みかを減らし、炎症が起きる原因そのものを抑える効果が期待できます。
また、デンタルフロスや歯間ブラシは使い方に慣れることで効率よく汚れを取り除けるようになるため、毎日の習慣として取り入れることが重要です。
定期的に歯科でチェックとクリーニングを受けている
定期的に歯科医院で検査やクリーニングを受けている人は、歯周病になりにくい傾向があります。
専門家によるチェックでは、歯周ポケットの深さや歯ぐきの状態を細かく診断できるため、初期段階で異常を発見しやすくなります。
また、歯石やプラークは自宅だけでは完全に除去しきれないことも多く、プロの手で定期的にクリーニングされることで細菌の増殖を抑えることが可能です。
こうした積み重ねが、歯周病の発症・進行を予防するための大きな力になります。
喫煙しない/禁煙できている
たばこを吸わない、あるいは禁煙している人は喫煙者に比べて歯周病になりにくいと言えます。
喫煙習慣があると、歯ぐきの血流が悪化し免疫の働きも低下するといった影響を受けやすくなります。
その結果、歯周組織に細菌に対して弱くなり、炎症が進行しやすくなるリスクが高まってしまうのです。
喫煙者は歯周病が進行しやすいだけでなく、治療の効果が出にくいという傾向もあるため、たばこをやめることは口腔内の健康を取り戻すうえで大きな一歩になります。
生活習慣(睡眠・食事・ストレス)を整えやすい
生活全般が整っている人ほど歯周病になりにくい傾向があります。
十分な睡眠やバランスの良い食事は体調管理の基本であり、歯周病のリスクファクターには免疫機能などの体の状態も関係するとされています。
また、ストレスが溜まりにくい生活リズムは歯ぎしりや噛みしめといった無意識の癖を抑える助けにもなるでしょう。
こうした習慣が結果として歯ぐきの炎症を引き起こしにくい環境を作り、歯周病の発症リスクを低減させる効果が期待できます。
歯周病にならないようにするには

歯周病にならないために、具体的に何をすればいいか悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
次に歯周病になりやすい人の特徴を踏まえて、歯周病にならないようにするための予防方法を解説します。
正しい歯磨きをする
正しい歯磨きを身につけ、しっかりと食べかすや歯垢を取り除くことで、歯周病になりにくくなります。
歯ブラシは歯2本分程度の先が小さく、シンプルな形状のものを選びましょう。
毛先が歯と歯ぐきに対して垂直になるように歯ブラシを当てて、細かく振動させるように磨いてください。
歯と歯の間など歯ブラシが入りにくいところには、歯間ブラシを活用するとうまく汚れが取れるでしょう。
歯磨きの仕方には人それぞれのクセがあるため、どこに磨き残しが多いのかを知って、すべての歯を丁寧に磨くことが大切です。
うまく歯磨きができているか心配な方は、歯垢染色剤を使って磨き残しのある場所を知ることができるので、歯医者に相談してみましょう。
定期検査をする
歯周病は自覚症状が少なく、腫れや痛みを感じたときにはすでに歯周病菌の繁殖が進み、患部の状態が悪い場合が多く見られます。
症状が現れてから初めて受診するのではなく、定期的に歯医者を受診し検査を受けるようにしましょう。
定期健診では、普段の歯磨きでは取り除けていない汚れや歯石を落としたり、歯周病になっていても初期段階で治療を開始できたりします。
歯並びの矯正を行う
歯並びが悪いと磨き残しが生じやすくなるため、歯並びの矯正も歯周病対策として有効です。
若いときは歯並びに問題がなかった方でも、年を重ねると歯並びが徐々に悪くなることがあります。
若いころに比べて歯周病になりやすくなった場合には、歯並びが悪くなったことで磨き残しが増えている可能性も考えられるため、定期健診で歯並びのチェックをしてもらいましょう。
また無意識に行っている歯ぎしりや食いしばりは、自身で直すことは困難です。
マウスピースなどを使用して歯への負担を軽減することができるので、歯ぎしりや食いしばりに悩んでいる方は検討してみてください。
生活習慣の改善
先にも述べた通り、煙草は歯周病の発症リスクを高めます。
煙草は歯周病以外にも生活習慣病などさまざまな病気のリスクにつながるため、自身の健康のために禁煙に取り組んでみましょう。
自力で禁煙が難しい方には、禁煙外来がおすすめです。
禁煙外来とは、薬を使ったり、専門家からアドバイスをもらったりする治療のことで、一定の条件を満たせば健康保険が適用されます。
自力で行う禁煙よりもはるかに治療を進めやすいため、禁煙に苦戦している方は禁煙外来に対応している医療機関に相談してみてください。
また栄養バランスの取れた食事や十分な睡眠は、体の免疫機能を高め、歯周病になりにくい体質へのサポートとなります。
正しい生活習慣を身につけ、細菌に負けない体作りを心がけましょう。
関連記事:歯周病の症状とは?原因や治療方法、セルフチェックも紹介!
歯周病になりやすい人の特徴を知って、歯周病対策をしよう

本記事では、歯周病になりやすい人の特徴について解説しました。
歯周病にならないためには、正しい歯磨きを身につけ、定期検査を受けることが大切です。
口の中を清潔に保つとともに、免疫機能を高めて歯周病にならない体作りをしましょう。
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コラム監修者
資格
- 医療法人社団世航会 理事長・歯学博士
- ICOI 国際インプラント学会 指導医
- UCLAインプラントアソシエーション理事
- JAID 常任理事
- 日本顎咬合学会 認定医
- 日本口腔インプラント学会所属
- 日本補綴歯科学会所属
- 日本歯科医師会 会員
- 東京都歯科医師会 会員
- 厚生労働省認定研修医指導医
略歴
- 1997年 明海大学 歯学部入学
- 2003年 同大学 卒業
- 2003年 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 顎口腔機能再構築学系 摂食機能保存学講座 摂食機能保存学分野 博士課程 入学
- 2006年 顎咬合学会 特別新人賞
- 2007年 同大学院 修了 歯学博士所得
- 2007年 東京医科歯科大学 歯学部附属病院 医員
- 2007年 世田谷デンタルオフィス 開院
- 2008年 医療法人社団世航会 設立
- 2013年 明海大学歯学部 保存治療学分野 非常勤助教
- 2014年 明海大学歯学部 保存治療学分野 客員講師
- 2015年 昭和大学歯学部 歯科矯正学分野 兼任講師
- 2016年 明海大学歯学部 補綴学講座 客員講師
- 2020年 日本大学医学部 大学院医学総合研究科生理系 入学
- 2025年 同大学院 修了 医学博士取得
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