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虫歯は自力で治せる?自然治癒を促す方法や正しい治療法 | 歯医者さんのお役立ちコラム
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虫歯は自力で治せる?自然治癒を促す方法や正しい治療法

「虫歯は自然治癒で治る?」
「自然治癒で治らない虫歯の進行度や治療方法が知りたい」
「虫歯の自然治癒を促進させる方法や期間は?」
歯の病気は全身疾患とも密接な関係があるため、異常が見られた際は早期対応が必要です。

 

本記事では、虫歯の自然治癒に関する冒頭の疑問について、詳しく解説していきます。
虫歯や歯の痛み、歯ぐきの腫れを治したいと思っている方は、ぜひ最後までご覧ください。

虫歯は自然治癒で治る?

初期段階の虫歯であれば、自然治癒する可能性はあります。
虫歯は歯の表面に穴が開く病気です。しかし初期段階の場合、歯の内部まで虫歯が侵食していない場合があります。
健康な食事や適切な口腔衛生習慣を保ち、定期的な歯科検診を受けることで、虫歯の進行を抑え、自然治癒の可能性を高められるでしょう。

 

ただし、虫歯が進行している場合や痛みや感度がある場合は、歯科医師の治療が必要です。

虫歯の自然治癒方法

次に、具体的な虫歯の自然治癒方法を解説していきます。
以下の2つが効果的です。

  • 唾液の分泌を促す
  • 歯垢を除去する

それぞれ確認してください。

唾液の分泌を促す

唾液の分泌を促すことは、虫歯の自然治癒に役立つ方法のひとつです。
唾液には抗菌作用やミネラル補充作用があり、虫歯の進行を抑える効果があります。

 

唾液の分泌を促すためには、噛むことや噛むガムを噛むことが有効です。
噛むことで唾液の分泌が増え、虫歯の原因となる細菌の増殖を防ぐことができます。

 

また、十分な水分摂取も唾液の分泌を促すので、水をこまめに飲むように心がけましょう。
健康的な唾液の分泌は、口腔の健康維持に重要です。

歯垢を除去する

虫歯の自然治癒には、歯垢を除去することも重要です。
歯垢はプラークとも呼ばれ、細菌や食物の残渣が歯の表面について形成される膜です。
歯垢が歯の表面に残ると、細菌が繁殖し虫歯を引き起こす原因となります。

 

歯ブラシやフロスを使用して歯垢をしっかりと除去し、口腔内の清潔さを保つことで虫歯の進行を防ぐことができます。
また、定期的な歯科検診やクリーニングもおすすめです。

 

正しいブラッシングや歯垢除去の方法については、歯科医師や歯科衛生士に相談してください。

 

関連記事:虫歯を自分で確かめる方法は?歯医者を受診すべき理由についても

自然治癒で治らない虫歯の進行度と治療方法

ここからは、自然治癒で治らない虫歯の進行度と治療方法について解説していきます。
虫歯の進行度は、以下の5段階に分けられます。

  • CO
  • C1
  • C2
  • C3
  • C4

それぞれ見ていきましょう。

CO

CO(Caris Observasion)とは、発生して間もない虫歯の進行度を表す指標です。
この段階では歯の表面にまだ穴があいておらず「要観察歯」とも呼ばれます。
COでは、歯面に白いシミができるのが特徴です。

 

この段階では、歯を削る必要がなく、フッ素塗布によって歯の再石灰化を促すことで治療が可能です。
フッ素は歯のエナメル質を強化し、虫歯の進行を抑制します。
定期的な歯科検診でCOの早期発見を行い、フッ素塗布による治療を受けましょう。

C1

C1は、エナメル質の虫歯を表す指標です。
この段階では、細菌がエナメル質に感染しており、歯を少しだけ削り、コンポジットレジンで充填することで治療が可能です。
エナメル質には歯の神経が分布していないため、痛みを感じることはほとんどありません。

 

定期的な歯科検診でC1を早期に発見し、適切な充填治療を受けることが重要です。
これにより、虫歯の進行を防ぎ、歯を健康な状態に保つことができます。

C2

C2は、象牙質の虫歯を表す指標です。
この段階では、虫歯菌の感染が象牙質まで進み、歯の神経が影響を受けている可能性があります。
痛みや知覚過敏が生じることも。

 

病変部が大きい場合には、詰め物や被せ物の製作が必要となります。
これにより、虫歯の進行を止めるだけでなく、歯の機能や美しさを回復させることができます。
定期的な歯科検診でC2を早期に発見し、適切な治療を行いましょう。

 

関連記事:C2の虫歯とは?主な特徴や治療方法を解説

C3

C3は、歯髄まで侵された虫歯を表す指標です。
この段階では、虫歯菌が歯の神経に達しています。
抜髄と呼ばれる神経組織の除去が必要であり、根管治療という処置が必要です。
根管治療が完了したら、土台を作り、被せ物を装着することで歯を修復します。

 

この治療により、虫歯の進行を止め、歯を機能的に保てます。
早期の治療が重要であるため、痛みや腫れがある場合は速やかに歯科医師に相談しましょう。

C4

C4は、もっとも重症化した虫歯を表す指標です。
この段階では、歯の神経が死滅し、歯冠も崩壊した状態となります。
専門的には「残根状態」と呼ばれます。

 

根管治療が成功すると、歯を残すことができますが、多くの場合、抜歯することが適切な選択です。
歯冠の崩壊が進んでいるため、抜歯後に補綴治療や入れ歯などの対処が必要となります。
定期的な歯科検診で早期発見し、適切な治療を受けましょう。

 

関連記事:虫歯のステージとは?治療の選択肢についても解説

虫歯の自然治癒を促進させる方法

ここからは、虫歯の自然治癒を促進させる方法を見ていきましょう。
以下の4つがおすすめです。

  • 正しい歯磨きで歯垢を取り除く
  • フッ素入りの歯磨き粉を使う
  • キシリトールガムを噛む
  • 重曹を溶かした水でうがいをする
  • 間食を控える
  • スポーツドリンクやジュースを控える
  • ストレスや疲れを緩和する
  • 歯科医院で定期検診を受ける

それぞれ解説していきます。

方法①正しい歯磨きで歯垢を取り除く

正しい歯磨きは虫歯の自然治癒を促進させる重要な方法です。

 

歯ブラシを45度の角度で歯と歯ぐきに当て、やさしく円を描くように磨きます。
歯間の歯垢も糸ようじやデンタルフロスを使って取り除きましょう。

 

また、歯磨き粉にはフッ素が含まれるものを選ぶと、虫歯予防に効果的です。
定期的な歯科検診と合わせて、正しい歯磨きを習慣づけましょう。

方法②フッ素入りの歯磨き粉を使う

フッ素入りの歯磨き粉を使うことも、虫歯の自然治癒を促進させる効果的な方法です。
フッ素は歯のエナメル質を強化し、虫歯に対する耐性を高める働きがあります。

 

歯磨きの際にフッ素入りの歯磨き粉を使用することで、虫歯の進行を抑え、既存の虫歯に対しても修復力を高めることができます。
定期的かつ正しい歯磨きとあわせて、フッ素入りの歯磨き粉を選びましょう。

方法③キシリトールガムを噛む

キシリトールガムは虫歯の自然治癒を促進させる有効な方法です。
キシリトールは口内の酸性度を下げ、虫歯を引き起こす細菌の増殖を抑えます。
また、唾液の分泌を増やす効果に加え、歯の再石灰化を促す効果も。

 

キシリトールガムを食後や間食時に噛むことで、虫歯の予防や進行の抑制に役立ちます。
ただし、過剰摂取は下痢や消化不良の原因となるため、適量を守って使用しましょう。

方法④重曹を溶かした水でうがいをする

虫歯の自然治癒を促進させる方法のひとつは、重曹を溶かした水でうがいをすることです。
重曹は口内の酸性度を中和し、細菌の繁殖を防ぎます。
また、口腔内を清潔に保ち、歯を強化する効果も。

 

毎日の歯磨きとあわせて、朝晩のうがいに重曹水を使うことで、虫歯の治癒を早めることができます。
ただし、適量を守って使い、過剰使用は歯のエナメル質を傷つけてしまう可能性があるため注意しましょう。

方法⑤間食を控える

頻繁に食べ物を口にすると、口内の酸性度が高まり、歯のエナメル質が溶けやすくなります。

特に甘い食べ物や飲み物は、虫歯菌が酸を生成する原因となり、虫歯の進行を早めることがあります。

 

間食を控えることで、口内のpHを安定させ、唾液による自然な再石灰化のプロセスを助けることが期待できるでしょう。

また、間食を減らすことは歯の健康維持に役立ち、虫歯のリスクを低減させることができます。

 

特に食後に歯磨きをしっかり行うことも大切ですが、間食の回数を減らすことが根本的な予防につながります。

方法⑥スポーツドリンクやジュースを控える

スポーツドリンクやジュースは、虫歯の原因となる糖分を多く含んでいます。

頻繁に摂取すると、口内の酸性度が増し、歯のエナメル質が溶けやすくなってしまうのです。

 

また、これらの飲み物は虫歯を引き起こす細菌の栄養源となり、虫歯の進行を早める可能性があります。

ジュースやスポーツドリンクを摂る際は、歯に長時間残らないように飲んだ後に水で口をすすぐことが重要です。

これにより、酸や糖分の影響を最小限に抑えることができます。

 

虫歯の自然治癒を促進させるためには、これらの飲み物を控え、歯に優しい飲み物、例えば水やお茶を選ぶことが推奨されます。

方法⑦ストレスや疲れを緩和する

ストレスや疲れは、虫歯の進行を悪化させる要因となることがあります。

ストレスが溜まると、免疫力が低下し、口内環境が悪化することがあるため、虫歯の自然治癒を促進させるためには、心身のリラックスが重要です。

十分な休養と睡眠を取ることで、体の回復力が高まり、歯の健康も保ちやすくなります。

 

また、ストレスを和らげるためには、深呼吸や軽い運動、趣味の時間を持つことが効果的です。

これらの方法でリラックスすることは、口腔内の健康に良い影響を与え、虫歯の自然治癒を促進する助けとなります。

方法⑧歯科医院で定期検診を受ける

定期的に歯科医院で検診を受けることは、虫歯の自然治癒を促進するために非常に重要です。

歯科検診を受けることで、虫歯が進行する前に早期に発見でき、治療や予防が行いやすくなります。

また、歯科医師によるプロフェッショナルなクリーニングで歯垢や歯石を除去することで、虫歯のリスクを減らすことができます。

 

歯科医院での定期検診は、虫歯の進行を抑えるためだけでなく、口腔内全体の健康を保つためにも役立つでしょう。

定期的なチェックを受けることで、虫歯が自然治癒するチャンスを高め、口腔内の問題を早期に解決することができます。

虫歯が自然治癒できる期間

初期虫歯の自然治癒には明確な期間はありません。
歯が元の健康な状態に戻っても、適切な口内ケアを怠ると再び虫歯になってしまいます。
もし神経や根幹まで虫歯が達していれば、治癒には約1か月以上かかることもよくあります。

 

ただし、個人の状態や治療法によっても期間は異なるため、定められた時間に治癒するとは限りません。
定期的な歯科検診と適切なケアが重要です。

虫歯の自然治癒に関するQ&A

最後に虫歯の自然治癒に関する質問に回答していきます。

歯が黒くなっていたら虫歯の治療をしたほうがいいですか

歯が黒くなっている場合、それは虫歯が進行しているサインである可能性が高いです。

特に、歯の表面に黒い斑点や変色が見られるときは、虫歯が象牙質や歯髄にまで進行していることが考えられます。

この段階では、自然治癒が期待できないため、治療を受けることが重要です。

 

自然治癒が可能なのは、虫歯の初期段階に限られます。

黒くなった歯は進行している証拠であり、放置すると痛みや膿が生じ、最終的には歯を失うリスクがあります。

 

そのため、黒くなっている歯があれば、早めに歯科医院で検査を受け、適切な治療を受けることがおすすめです。

虫歯は唾液によって治ると聞きましたが本当ですか

唾液が虫歯の進行を抑える作用を持つことは確かですが、唾液だけで虫歯が完全に治るわけではありません。

唾液には、虫歯の原因となる細菌を抑える抗菌作用や、歯を修復するためのミネラル(カルシウムやリン)を供給する働きがあります。

 

しかし、虫歯が進行している場合、唾液だけで自然治癒は難しく、適切な治療が必要です。

 

唾液が持つ再石灰化作用は、初期の虫歯においては、進行を防ぐ手助けになりますが、進行した虫歯には専門的な治療が求められます。

唾液を有効活用するためには、十分な水分補給や、噛むことによって唾液の分泌を促進させることが大切です。

虫歯は象牙質まで達する(C2)と自然治癒しませんか

虫歯が象牙質まで進行した場合(C2)、自然治癒はほとんど期待できません。

象牙質は歯のエナメル質の下にあり、虫歯菌がこの部分にまで達すると歯の構造が深く損傷しています。

そのため、唾液の再石灰化作用やフッ素塗布など、軽度の虫歯に有効な方法では進行を止めることが難しいため、専門的な治療が必要です。

 

C2の虫歯では、詰め物や被せ物を用いた治療が一般的です。

この段階で早期に治療を受けることで、虫歯の進行を抑え、歯を保存することができます。

 

関連記事:歯医者の定期検診に通う頻度は?メリットと費用を知ろう

初期段階の虫歯であれば自然治癒で治る

今回は、虫歯の自然治癒について解説してきました。
初期段階の虫歯は、エナメル質の表面に穴が開いていない状態です。
この段階では、適切な口内ケア、歯磨き、フッ素の使用などで虫歯を進行させる要因を減らすことができます。
そのため、穴が大きくなる前に自然治癒する可能性があります。

 

ただし、個人の状態や口腔内のケアによって異なるため、早めの歯科検診と適切な処置が重要です。

 

世航会デンタルオフィスでは、虫歯治療から予防歯科、歯周病治療まで、幅広い歯科治療を提供しています。受診の際はカウンセリングもしっかりと実施しているため、歯のことでお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。

コラム監修者

監修者の写真

中島 航輝
なかじま こうき

役職

世航会デンタルオフィス 理事長

略歴

  • 1997年 明海大学 歯学部入学
  • 2003年 同大学 卒業
  • 2003年 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 顎口腔機能再構築学系 摂食機能保存学講座 摂食機能保存学分野 博士課程 入学
  • 2006年 顎咬合学会 特別新人賞
  • 2007年 同大学院 修了 歯学博士所得
  • 2007年 東京医科歯科大学 歯学部附属病院 医員
  • 2007年 世田谷デンタルオフィス 開院
  • 2008年 医療法人社団世航会 設立
  • 2013年 明海大学歯学部 保存治療学分野 非常勤助教
  • 2014年 明海大学歯学部 保存治療学分野 客員講師
  • 2015年 昭和大学歯学部 歯科矯正学分野 兼任講師
  • 2016年 明海大学歯学部 補綴学講座 客員講師
  • 2020年 日本大学医学部 大学院医学総合研究科生理系 入学
  • 2025年 同大学院 修了 医学博士取得

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