歯医者の選び方とコツとは?注意すべきポイントもチェック

新しい歯医者を選ぶ際、医師やスタッフとの相性や通いやすさなど、色々と気になることがあるかもしれません。ホワイトニングやクリーニングのように、定期的に受けている治療を実施しているかどうかもクリニック選びに関わってきますが、良い歯医者に出会うにはどのようなポイントに注意すべきなのでしょうか。
この記事では、良い歯医者の選び方や探し方について、意識しておきたいポイントを詳しく紹介します。歯医者の変更や引っ越しによる転院などを控えている方は、ぜひ参考にしてください。
「良い歯医者」の選び方

良い歯医者というと、「患者さんの立場に立って相談にのりながら治療を進めてくれる歯科医院」を思い浮かべるかもしれません。具体的には以下のような項目をチェックしてみましょう。
治療技術が高いか
良い歯医者の条件の一つに、治療技術の高さが挙げられます。確実に治療を実施し、再発のおそれを少なく抑えられるかどうかを重視しましょう。
虫歯治療であれば、健康な歯まで大きく削るのではなく「虫歯になっている箇所のみ」を的確に削れるかどうか、さらには再発しないように被せ物の形やサイズも考慮できれば、良い歯医者と判断できるのではないでしょうか。
治療だけではなく麻酔・検査・診断といったそれぞれのプロセスについても、手を抜いたり患者さんの意見を聞かずに進めたりせず、患者さんの気持ちや感じ方を考慮できると理想的です。
初診時にしっかり検査を行い、丁寧に診断してくれるか
初めての診療時にしっかり検査を行い、資料を採得してから治療に入るクリニックを選ぶことは、良い歯医者を見分けるうえで重要です。虫歯や歯周病などのトラブルがある際、患者自身では気付きにくい問題まで診断できるかが鍵となります。
レントゲン撮影や口腔内写真、場合によっては歯科用CTなど精密検査を実施している医院では、治療の見通しも明確になりやすく、安心して通いやすい傾向があります。こうした検査や資料採得に時間をかけ、説明を丁寧にしてくれるかを確認すれば、「歯医者の選び方」で後悔しない判断基準になります。
痛みへの配慮として麻酔に十分時間をかけているか
治療時の痛みを軽減するために、麻酔時の丁寧な対応ができているかを確認することも、歯医者選びのポイントです。麻酔注射前に表面麻酔を行う、薬の温度や注入速度を調整するなど、“痛くない治療”を意識した取り組みを行う医院も増えています。
こうした配慮があると治療中の不安が和らぎ、通院のストレスが軽減されます。痛みへの恐怖が通院をためらう要因となることもあるため、麻酔に時間をかけて丁寧に行ってくれる歯医者を選ぶことが、「歯医者の選び方」で安心度を高める重要な基準です。
衛生管理に問題がないか
身近なあらゆる場所に潜む細菌には感染症のリスクがあるため、医療機関では衛生管理が重要になります。
歯医者でも手洗いや消毒のほかに器具の滅菌を行う必要があり、うがいに使う紙コップや紙エプロンなどの消耗品はディスポーザブル(使い捨て)対応が基本です。クリニックごとに実施している衛生管理には違いがあるため、滅菌をしっかりと行っているかどうかを確認しましょう。
設備が充実しているか
歯医者の設備は快適に治療を受け、通院するために重要なポイントです。
レントゲンや歯科用CT、マイクロスコープなどの専門的な機器に加えて、治療に使われるレーザー機器やホワイトニング機器、マウスピース製作装置などの設備を確認しましょう。
駐車場やキッズスペース、トイレ・洗面台といった設備が整っているほかにも、小さなお子さんがいらっしゃる場合は託児室の有無、バリアフリー対応や感染症対応、個室の有無もチェックしておくと安心です。
特に、利用したい治療が決まっている方は相応の設備が整っていることを確認のうえ、治療を検討してください。
関連記事:歯医者の初診料はどのくらい?治療費の相場とともに解説
専門医やスタッフが連携し、チームで治療を行っているか
良い治療を提供する歯科医院では、歯科医師だけでなく衛生士や技工士、矯正・口腔外科の専門医など複数のスタッフが連携して診療にあたっています。一般治療から矯正・インプラント・歯周病まで幅広く対応するには、各分野の専門医との協力体制が欠かせません。
チーム医療を掲げる医院は専門性が高く、説明も体系的に行われる傾向があります。そのため、公式サイトなどで専門医の在籍や連携体制が明示されているかを確認することが、「歯医者の選び方」で信頼できる医院を見極める手がかりになります。
治療の方針やメリット・デメリットを詳しく説明しているか
治療方針はクリニックごとに異なります。患者さんの立場に立って対応しているのか、クリニックの方針を優先するのかによっても通いやすさや治療の質が変わってくるため、どのような方針で治療を実施しているのかを確認してください。
治療前にカウンセリングを行っている歯医者では、専門のスタッフから説明が受けられます。その際にお口の中のトラブルや既往症、困りごとを相談できますので、治療の方向性やメリット・デメリットが説明されるかをチェックしましょう。
費用や料金体系が明確に示されているか
歯科治療の料金が不透明だと、不安やトラブルの原因になります。治療前に費用の目安や支払い方法を説明してくれる医院を選ぶことが、「歯医者の選び方」で重要です。治療ごとの料金や保険適用の範囲、自由診療の費用などが明確に提示されているかを確認しましょう。
カウンセリング時に見積もりやおおよその総額を提示してくれる医院なら、費用面でも安心して通えます。料金体系のわかりやすい歯医者は、信頼性が高く長く通いやすい医院といえます。
歯科医師の人柄がよいか
歯科医師の人柄については、直接診療に訪れる以外にもホームページに掲載されている医師の紹介や口コミなどから判断できます。患者さん目線で安心感を与えるように努めていれば、治療にあたって信頼ができる医師と判断できるでしょう。
次に医師の得意分野や経歴の確認を行いましょう。矯正治療を受けようと考えている方なら、矯正治療の認定医や専門医が在籍している歯医者がおすすめです。
矯正治療やインプラントのような自由診療は、費用が高額になりやすいため納得のできるクリニックで治療を受けましょう。カウンセリングを丁寧に行うだけではなく、セカンドオピニオンも推奨してくれる歯医者が理想的です。
同じ先生・衛生士が継続して担当してくれるか(担当制)
通院を続けるうえで、治療を担当する先生や衛生士が固定されている医院を選ぶと安心です。担当制の医院では、口の状態を継続的に把握してもらえるため、ちょっとした変化にも気付きやすく、治療内容の説明も一貫性があります。
また、「この先生だから相談しやすい」という信頼関係を築きやすく、治療方針への理解も深まります。信頼できる担当者と長く関わることで、定期的なメンテナンスや予防もスムーズに進みます。こうした担当制の有無は、「歯医者の選び方」で確認しておきたい重要なポイントです。
適切な患者の受け入れ体制が整っているか
適切な患者数を受け入れているか、受け入れ体制のバランスが整っているかも重要なポイントです。常に待合室が混み合っており治療までに時間がかかりすぎるような場合は、必要なときに必要な治療が受けづらいかもしれません。
規模に関わらず、歯医者で受け入れが可能な患者さんの数は限られていますから、それを超過していると高度なレベルの医療が提供しづらくなってしまうのです。
一人ひとりにしっかり時間をかけられる患者数管理がされているか
患者数が多すぎて慌ただしく診療している歯科医院では、説明不足や相談の時間が足りないことがあります。受付数や治療時間が適切に管理されているかを確認することが、「歯医者の選び方」で押さえておきたいポイントです。
待合室の混雑具合や治療開始までの待ち時間などを観察すれば、医院の体制が見えてきます。患者一人ひとりに十分な時間を確保できている医院は、丁寧で納得感のある治療を受けやすく、結果として高い満足度につながります。
予防やメンテナンスにも力を入れているか
虫歯や歯周病の治療だけでなく、予防や定期メンテナンスに力を入れている歯科医院を選ぶことが大切です。検診案内が届く、クリーニングのプログラムがある、生活習慣の指導を行うといった医院は、「良い歯医者」として評価できます。
予防重視の医院では、将来的な治療の必要性を減らし、通院の負担を軽くできます。こうした姿勢をホームページや説明から確認することで、長期的に健康を守る歯医者を見極められます。予防に積極的な医院を選ぶことが、「歯医者の選び方」で重要です。
歯医者選びのコツ

ここからは、理想的な歯医者に出会うためのコツをみていきましょう。治療実績や口コミといった細かい部分も確認しておくと比較がしやすくなります。
治療実績を見る
治療実績は、その歯医者の力量を調べるうえで重視したいポイントです。一般歯科と自由診療の対応件数がそれぞれ出ていれば、どちらが多いかを確認し、詳しい症例まで掲載されていればそちらも参考にできます。
例えば、矯正歯科では「ワイヤー矯正」と「マウスピース矯正」が多く行われていますが、インプラント矯正を考えている方は、インプラント矯正の件数が多い歯医者を比較します。
治療実績が豊富でありながら、さらに患者さんに寄り添った対応や設備が整っている歯医者を選ぶと良いでしょう。
口コミを調査する
歯医者に寄せられた口コミの中から、肯定的な内容と否定的な内容をどちらも確認してみましょう。SNSにも口コミが掲載されている可能性もありますので、口コミサイト以外のWebサイトやサービスも確認してみてください。
ただし極端に褒める、または否定するような偏った内容の書き込みのように、信ぴょう性に乏しいものもあります。口コミを確認するときは偏りのない意見を中心に参考にしてみてください。
自宅や勤務先の近くで探す
矯正治療のように長期的に通院する予定がある、または家族や親子で通う予定がある場合は、自宅や勤務先から通いやすい歯医者がおすすめです。
良い歯医者に出会えても、自宅からアクセスが難しく通うのに時間がかかるような立地では通院が難しくなるので、アクセス性や公共交通機関の乗り換えやすさを確認しましょう。
通いやすい診療時間や予約の取りやすさを確認する
通いやすい歯科医院を選ぶには、診療時間や予約の柔軟さも重要です。平日夜間や土日診療、急な痛みへの対応がある医院は、仕事や家庭の予定に合わせて通いやすくなります。予約の取りやすさやキャンセル待ち制度の有無を確認すれば、治療のリズムを崩さず継続できます。
診療時間が自分の生活スタイルに合っていると、通院の負担が軽くなり、長期的なケアも続けやすくなります。こうした通いやすさを考慮することも、「歯医者の選び方」で失敗を防ぐためのポイントです。
カウンセリングの内容や対応を確認する
治療に入る前は必ず問診が行われますが、問診に加えてカウンセリングを行っている歯医者も増えてきています。
カウンセリングではどのような話し合いができるのか、検査(画像診断)が行われるのか、事前に問い合わせをして確認しておくと良いでしょう。
他院からの転院では、今までの状況や治療記録を記載した紹介状が必要になることがあります。それ以外にも、口腔外科での治療記録など持参すべきものがないか確認をとっておきましょう。
こんな歯医者には注意

次に、かかりつけ医にする場合注意したい歯医者についてみていきましょう。6つの特徴を取り上げていますので、ぜひ参考にしてください。
院内が清潔でない
院内の設備が明らかに古く手入れもされていない、ゴミやほこりが落ちている、うがいに使う水が清潔ではないといった点が一つでもあれば、衛生管理に不安が残ります。
なかには、靴箱の隣に滅菌器が設置されておらず、院内で使うスリッパを古いまま使い回しているクリニックも。少しでも不衛生な点が気にかかったときは、通院にふさわしいかどうか判断してください。
歯科医師とスタッフの関係性がよくない
カウンセリングの際に、歯科医師とスタッフの関係性が確認できるようであればチェックしておきましょう。
スタッフを怒鳴る、命令口調である、スタッフ側の対応がよくないといったケースでは、治療を受ける際に患者さん自身も緊張してしまい、快適に治療が受けられないおそれがあります。
スタッフの入れ替わりが多く、定着率が低い
歯科医院の雰囲気や治療の質を左右する要素として、スタッフの定着率があります。頻繁に入れ替わりがある医院では、院内の連携が取りにくく、対応の一貫性が欠けることがあります。担当の衛生士や受付が毎回変わると、患者が安心して通い続けるのが難しくなる場合もあります。
反対に、スタッフが長く勤めている医院は、環境やチームワークが安定している証拠です。通院前に口コミや公式情報を確認し、スタッフの定着状況を見極めることが「歯医者の選び方」において大切です。
自由診療をむやみに勧めてくる
歯医者の多くは、一般診療に加えて自由診療を行っています。矯正・インプラント・ホワイトニング・保険適用外の詰め物や被せ物といった自由診療はいずれも高額になりやすく、治療前に医師やスタッフとよく相談しなければなりません。
自由診療をむやみに勧めてくるような歯医者は、治療について相談する際に率直な意見を伝えにくいと感じられるかもしれません。長く通い続けるならば、一般歯科にも快く対応してくれるクリニックをかかりつけ医にしたいところですね。
関連記事:虫歯治療にかかる費用はどれくらい?自由診療の場合も解説
検査結果や治療方針について満足な説明がなされない
患者さんの意思を尊重せずに治療を進めたり、説明を行わずにいきなり治療に入ったりすると、患者さんにとってはたいへん不安に感じられるでしょう。
治療にかかる期間や料金、具体的な治療内容なども、本来であれば患者さんへの説明なくしては行えないものですが、説明を行わずに治療が進められるケースは少なくありません。
医療行為を行う場所では、医師やスタッフが治療方針、検査結果に関して詳しく説明を行わなくてはなりません。満足な説明が得られなければ、より信頼のできる歯医者をかかりつけ医にすることをおすすめします。
関連記事:虫歯の治療にかかる期間や回数は?治療期間短縮の方法も紹介
治療後に被せ物が取れてしまう
治療した箇所がボロボロになった、被せ物が取れた、歯にぐらつきがある…といった状況も、本来であれば避けなければならないトラブルです。
手際だけが良くても、治療内容が伴っていなければ良い歯医者とは言い難いでしょう。
関連記事:治療後に虫歯が再発するのはなぜ?再発の予防策も紹介
治療期間が長い
治療期間が必要以上に長くなると、通院自体が面倒に感じられてしまいます。患者さんを第一に考えるならば、治療は長引かせるべきではありません。
治療期間が不必要に長くなるケースはあまり多くはありませんが、治療期間を意図的に延ばされているようであれば、説明をしっかりと受けたうえで通院を続けるか、他院への転院を検討するようにしてください。
関連記事:虫歯の治療にかかる期間や回数は?治療期間短縮の方法も紹介
歯医者選びにはセカンドオピニオンを活用してみるのもおすすめ
納得できる歯医者選びには、それぞれの方のお悩みや困りごとに合わせた対応がとれるかどうかを確認しましょう。しかし実際には、医師やスタッフの対応などは通ってみなければわからない部分でもあります。
そこで、「セカンドオピニオン」という方法を活用してみましょう。セカンドオピニオンとは、より良い決断をするために第三者に意見を求める行為です。
クリニック選びでいうと、1ヶ所で得た意見や治療の方向性について、第三者として2ヶ所目のクリニックにも意見を求める方法にあたります。
セカンドオピニオンのメリット
セカンドオピニオンのメリットとしては、特定の歯医者だけでは物足りないと感じる説明や判断が2ヶ所以上から得られるため、より客観的で的確な判断材料が得られます。
患者さんの多くは医療行為を行ったことがなく、歯科治療についても「何が最善か」を判断しにくいと感じているため、セカンドオピニオンによって複数の判断材料を得ておくことが、的確な決断に繋がります。
患者さんの立場に立ったクリニックがおすすめ
今回は、良い歯医者の選び方について治療実績や院内の設備、衛生管理といったポイントを中心に紹介しました。
すべてを満たしている歯医者と出会うのは難しいものですが、丁寧なカウンセリング対応や院内の雰囲気の良さなど、通いやすいと感じられるポイントがあれば、その判断を重視することもできます。
治療に迷ったときはセカンドオピニオンも活用しながら、ぜひ納得のできる説明・相談を行い、お口の中の健康維持に歯医者を役立ててみてはいかがでしょうか。
世航会デンタルオフィスでは虫歯治療から予防歯科、歯周病治療まで、歯科治療を幅広くご提供しています。不安なく治療を受けていただけるよう、カウンセリングもしっかりと実施。歯が痛いと感じられている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
コラム監修者
資格
- 医療法人社団世航会 理事長・歯学博士
- ICOI 国際インプラント学会 指導医
- UCLAインプラントアソシエーション理事
- JAID 常任理事
- 日本顎咬合学会 認定医
- 日本口腔インプラント学会所属
- 日本補綴歯科学会所属
- 日本歯科医師会 会員
- 東京都歯科医師会 会員
- 厚生労働省認定研修医指導医
略歴
- 1997年 明海大学 歯学部入学
- 2003年 同大学 卒業
- 2003年 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 顎口腔機能再構築学系 摂食機能保存学講座 摂食機能保存学分野 博士課程 入学
- 2006年 顎咬合学会 特別新人賞
- 2007年 同大学院 修了 歯学博士所得
- 2007年 東京医科歯科大学 歯学部附属病院 医員
- 2007年 世田谷デンタルオフィス 開院
- 2008年 医療法人社団世航会 設立
- 2013年 明海大学歯学部 保存治療学分野 非常勤助教
- 2014年 明海大学歯学部 保存治療学分野 客員講師
- 2015年 昭和大学歯学部 歯科矯正学分野 兼任講師
- 2016年 明海大学歯学部 補綴学講座 客員講師
- 2020年 日本大学医学部 大学院医学総合研究科生理系 入学
- 2025年 同大学院 修了 医学博士取得
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