インビザラインに適応年齢はある?治療期間や費用の目安・メリットデメリットを解説

インビザラインは、子どもから大人まで幅広い年齢層に対応した矯正方法として知られています。
ただし、年齢や成長段階によって選ぶべき種類や治療内容には違いがあります。
本記事では、インビザラインの適応年齢や年代別のメリット・注意点に加え、治療期間や費用の目安まで詳しく解説します。
矯正を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
インビザラインの適応年齢
インビザラインには、永久歯が生え揃った思春期以降に適用する標準タイプと、乳歯と永久歯が混在する時期に使う小児向けタイプがあります。
年齢や発育段階によって選ぶべきシステムが変わるため、まずはそれぞれの適応範囲を理解しましょう。
インビザライン
インビザラインは13歳前後で永久歯が生え揃い、顎の成長が落ち着いた頃から高齢層まで対応します。
透明マウスピースのため装着中でも目立たず、金属アレルギーの心配がありません。
取り外しができるので食事や歯磨きで不自由が少なく、仕事や学校行事も普段通りにこなせます。
専用ソフトで歯の移動を前もって確認できるため、治療のゴールを具体的にイメージできるため、モチベーションを保ちやすい点も大きな利点といえるでしょう。
ワイヤー矯正より痛みが少なく、装着時間を守れば軽度から中等度の不正咬合を効率良く改善できます。
インビザライン・ファースト
インビザライン・ファーストは6歳から12歳ごろの混合歯列期を対象にした小児用マウスピース矯正は、顎の成長力を活かして歯列を広げ、将来の永久歯が並ぶためのスペースを確保することが主な目的です。
柔らかな力で歯を動かすため痛みや違和感が少なく、スポーツや楽器演奏など学校生活でも影響しにくい点が特徴です。
装置を定期交換しながら骨格を誘導するため抜歯のリスクを減らし、第二期治療へ移行する際の負担を軽減できます。
自己管理が必要ですが、保護者のサポートがあれば将来的にメリットの大きい選択肢となるでしょう。
子どものうちにインビザラインを受けるメリットと留意点
成長期にある子どものうちからインビザラインで矯正を始めることには、多くのメリットがあります。
まだ顎の骨が柔らかく変化しやすいため、将来的な歯列のトラブルを未然に防ぐうえでも有効です。
一方で、年齢や発育状況によっては治療期間が長期に及び、注意すべき点も存在します。
子どもの成長段階に合わせた矯正計画を立てましょう。
メリット
子どもがインビザラインを始める最大のメリットは、顎の成長を利用しながら歯列や噛み合わせの問題を改善できることです。
6歳から10歳前後の混合歯列期は、顎の幅や骨格の成長をコントロールしやすいため、この時期の矯正は将来的な抜歯のリスクを軽減できる可能性があります。
また、骨格に起因する受け口や出っ歯などの症状にもアプローチしやすく、噛み合わせ全体のバランスを整えられます。
さらに、マウスピースを装着することで指しゃぶりなどの癖が改善され、発音や見た目にも良い影響が期待できます。
留意点
子どものインビザライン治療は、第一期と第二期の2段階に分かれるのが一般的です。
第一期では顎の成長を促しスペースを確保することを目的に、永久歯が揃ってから第二期で歯列を整える流れになります。
このように治療が長期にわたる場合、子ども本人にとっては途中で負担やストレスを感じることもあるでしょう。
また、成長によっては治療計画の見直しが必要になる場合もあります。
矯正を進めるには、本人の協力と家族のサポートが欠かせないのです。
大人になってからインビザラインを受けるメリットと留意点
大人がインビザライン矯正を始める場合は、自分の意思と目的を明確にして治療に取り組める点が大きな利点です。
一方で、ライフスタイルによっては継続的な装着、通院のスケジュール調整が難しい場合もあるはずです。
仕事や家庭とのバランスを考慮しながら無理なく矯正を続けるには、治療前の十分な計画と自己管理の意識が欠かせません。
ここでは、大人がインビザラインを受ける具体的なメリットと、治療中に気をつけたい点について詳しく解説していきます。
メリット
インビザラインは透明なマウスピース型の矯正装置で、装着していてもほとんど目立たないのが特徴です。
そのため、人前で話すことが多い仕事や接客業でも、見た目を気にせずに矯正治療を続けられます。
また、取り外し可能なため食事のときには自由に外せるほか、歯磨きもしやすく衛生的。
装置に食べ物が挟まる心配が少ないので、口臭や虫歯のリスクも抑えられます。
さらに、大人は自身の意思で治療を始めるため、モチベーションが高く治療への理解も深い傾向にあります。
結果として治療の進行がスムーズになりやすく、理想的な歯並びや噛み合わせを目指せます。
留意点
インビザラインは1日20時間以上の装着が必要であり、大人の場合は仕事や外出の予定によって守るのが難しい場面もあります。
会食や長時間の出張、急なスケジュール変更が重なり、装着時間が不足して治療が計画通りに進まない方もいます。
また、成人は骨の代謝が若年層に比べて遅いため、歯の動きがゆるやかになり治療期間が延びることも。
治療を始める前に、自分のライフスタイルと治療スケジュールが両立できるかしっかり検討する必要があります。
さらに、自己管理が甘くなるとアライナーが合わなくなり、再製作による追加費用が発生するケースも考えられます。
確実に結果を出すには、装着時間の遵守と定期的な通院を欠かさず続ける強い意志が必要です。
インビザラインを受けたほうがよい人の特徴
インビザラインは透明なマウスピースで歯を動かすため目立ちにくく、取り外しも簡単です。
そのため、審美面や生活習慣に配慮したい方に向いており、以下3つに当てはまる方は大きなメリットを感じやすいでしょう。
見た目への影響を少なくしたい人
人前に立つ機会が多い職業や学生生活では、矯正装置が目立つことに抵抗ある方もいるでしょう。
インビザラインは透明素材で装着していてもほとんど気づかれないため、笑顔や会話を自然に楽しめます。
さらに、写真に写る場面やオンライン会議でも装置の存在を気にしなくて済むので、対人・対面の場面で特に気にすることはありません。
見た目のストレスを抑えながら歯並びを整えたい方にとって、理想的な選択肢と言えるでしょう。
軽度から中程度の歯並びの不正を修正したい人
インビザラインは精密な3Dシミュレーションにより、軽度から中程度の叢生や出っ歯を効率良く改善できます。
一枚ごとにマウスピースが細かく設計されているため計画通りに歯を動かしやすく、治療期間も比較的短く済む傾向があります。
重度症例でワイヤー併用が必要になる場合でも、目立つ期間をできるだけ抑えられるのがメリットです。
歯列不正を早めに整えたいが、金属装置には抵抗がある方にフィットする治療法と言えるでしょう。
日常生活を快適に過ごしたい人
マウスピースは食事や歯磨き時に外せるため、好きなものを自由に食べられ口腔ケアも今まで通り行えます。
金属ワイヤー特有の食べ物の詰まりや口内炎のリスクが少なく、装置による痛みもほとんどありません。
忙しい仕事や育児で時間が限られている方でも、ストレスなく治療を続けられるのが大きな強みとなります。
快適さと衛生面の両立を重視する方にとって、インビザラインは有力な選択肢となるでしょう。
インビザラインの治療期間
インビザラインの治療期間は平均1年半前後ですが、動かす距離や噛み合わせの複雑さによって6ヶ月で完了する症例もあれば、3年以上かかるケースもあります。
軽度の叢生やすきっ歯なら、マウスピース交換を早めに進められるため短い治療期間で終わりますが、抜歯が必要なケースや開咬・過蓋咬合など骨格的要因を伴う場合はワイヤー併用や追加のアライナーが必要で、その分長期化します。
治療計画は3Dシミュレーションに基づいて作成され、1〜2週間ごとに新しいアライナーへと順次交換していきます。
装着時間20時間以上と定期通院を守れば計画通り進みやすいものの、外食や出張で着脱が増えると計画が遅れてしまいます。
予定通りに治療を進めるには、自己管理と歯科医の指示を徹底して守ることが重要です。
インビザラインの費用の目安
インビザラインの費用は、症例の難易度と使用するアライナーの枚数で大きく変動します。
一般的な目安は軽度で50万円台から、中等度以上で100万円前後が相場です。
検査料や経過観察の診察料、保定装置代まで含めたトータル費用を提示する医院がほとんどで、追加のアライナーが必要でも追加費用が発生しないプランだと安心です。
また、多くの矯正治療と同様に公的医療保険は適用外ですが、医療費控除の対象にはなるため確定申告で還付を受けられる可能性があります。
分割払いやデンタルローンを用意する医院も多いので、支払方法に不安がある場合は、事前に相談しておくと安心です。
年齢による費用の違い
インビザラインは年齢で料金設定が変わるわけではありませんが、年齢が高くなるほど骨の代謝が緩やかで歯が動きにくくなるため、治療期間が長引き追加のアライナーが増える傾向です。
高齢の方は歯周病や補綴物の調整といった前処置が必要になるケースも多く、その分費用がかかる点を覚えておきましょう。
一方、成長期の子どもは骨が柔らかく歯の移動もスムーズなため、比較的短期間で治療が完了し、結果的に費用が抑えられることもあります。
いずれの年代でも正確な見積もりは精密検査後に提示されるため、複数の医院でカウンセリングを受けて比較検討すると良いでしょう。
インビザラインは年齢問わず選べる矯正治療
インビザラインは年齢を問わず利用できる柔軟な矯正治療であり、子どもの成長を活かした骨格改善から、大人の審美性を重視した矯正まで幅広く対応できます。
治療期間や費用は個人差がありますが、自分に合ったタイミングと方法を見極めて、治療を開始することが大切です。
インビザラインは、歯列矯正を快適に進めたい方にとって有力な選択肢となるでしょう。

コラム監修者
資格
- 医療法人社団世航会 理事長・歯学博士
- ICOI 国際インプラント学会 指導医
- UCLAインプラントアソシエーション理事
- JAID 常任理事
- 日本顎咬合学会 認定医
- 日本口腔インプラント学会所属
- 日本補綴歯科学会所属
- 日本歯科医師会 会員
- 東京都歯科医師会 会員
- 厚生労働省認定研修医指導医
略歴
- 1997年 明海大学 歯学部入学
- 2003年 同大学 卒業
- 2003年 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 顎口腔機能再構築学系 摂食機能保存学講座 摂食機能保存学分野 博士課程 入学
- 2006年 顎咬合学会 特別新人賞
- 2007年 同大学院 修了 歯学博士所得
- 2007年 東京医科歯科大学 歯学部附属病院 医員
- 2007年 世田谷デンタルオフィス 開院
- 2008年 医療法人社団世航会 設立
- 2013年 明海大学歯学部 保存治療学分野 非常勤助教
- 2014年 明海大学歯学部 保存治療学分野 客員講師
- 2015年 昭和大学歯学部 歯科矯正学分野 兼任講師
- 2016年 明海大学歯学部 補綴学講座 客員講師
- 2020年 日本大学医学部 大学院医学総合研究科生理系 入学
- 2025年 同大学院 修了 医学博士取得
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