インプラント治療|デンタルローンのメリット・デメリットと注意点
インプラント治療を受けると、まとまった費用がかかります。
経済的な負担を軽減したい方は、歯科治療に借入金を活用できるデンタルローンの利用を検討すると良いでしょう。
本記事では、デンタルローンの概要とインプラントの支払いにデンタルローンを利用するメリット・デメリット、インプラントの治療費を抑える方法などを解説しています。
以下の情報を参考にすることで、経済的な負担を軽減しやすくなるでしょう。
インプラントの治療費が気になる方はぜひ参考にしてください。
インプラント治療で使えるデンタルローンとは
デンタルローンは、目的別ローンのひとつです。
目的別ローンは、資金の使い道を限定したローンと言えるでしょう。
つまり、デンタルローンは、インプラント治療や矯正治療など、高額な費用がかかる歯科治療のために資金の使い道が限定されているローンです。また、基本的な仕組みは以下の通りです。
【仕組み】
- 患者様と金融機関、信販会社が契約を締結する
- 金融機関、信販会社が治療費を立替払いする
- 患者様が金融機関、信販会社へ元金と利息を分割で返済する
申し込みは、商品を販売している金融機関、信販会社のほか、これらと提携している歯科医院で行うことができます。
申し込みを行えるのは「本人に収入がある」「18歳以上」「65歳未満」など、金融機関や信販会社が定める条件を満たす方です。
また、利用にあたり審査があります。
審査では、年収、雇用形態、ローン契約の履歴、他社からの借入残高などを確認されることが一般的です。
インプラント治療にデンタルローンを利用する際のメリット
デンタルローンを利用する主なメリットについて、以下に説明します。
メリット①治療費を実質分割にできる
金融機関や信販会社が治療費を立替払いしてくれるため、インプラントの治療費を分割払いにすることができます。
分割回数は利用する商品で異なりますが、100回以上を選択できるものもあります。
インプラント治療の相場は、1本あたり30万円~40万円程度です。
例えば、治療費が30万円で分割回数が100回であれば、1回あたりの返済額を3,000円に抑えられます(利息などを除く)。
1回あたりの返済額を抑えられる点や、まとまった費用を用意せずに治療を受けられる点は魅力です。
メリット②簡単に手続きできる
金融機関、信販会社のほか、これらと提携している歯科医院で申し込みを行うことができます。
インプラント治療を積極的に行っている歯科医院の多くが金融機関や信販会社と提携しており、これがポイントです。
受診を検討している歯科医院で申し込みが可能な場合が多くあります。
具体的には、歯科医院に設置されている専用の用紙やタブレット端末などから申し込み手続きを行うことができます。
診察とあわせて簡単に手続きを行うことができるため、忙しい方でも利用しやすいと考えられます。
メリット③任意で利用額を設定できる
利用額(借入額)は、金融機関や信販会社が定める範囲内で自由に設定できます。
治療費の全額を借り入れる必要はありません。
例えば、治療費が40万円、手元にある資金が30万円だとします。
このようなケースであれば、手元に資金を残したい場合は利用額を40万円に、利息を減らしたい場合は利用額を10万円に設定することが考えられます。
目的にあわせて利用額を設定できることも魅力です。
インプラント治療にデンタルローンを利用する際のデメリット
デンタルローンには注意すべきデメリットも存在します。
主なデメリットは以下の通りです。
デメリット①審査に通過する必要がある
デンタルローンは、目的別ローンのひとつです。
ローンは、金融機関などから借りたお金を分割で返済する仕組みと言えるでしょう。
お金を「借りる」ため、利用の前に申込者の返済能力を確かめる審査があります。
審査で落ちると、治療費を借りることができません。
一般的に、他の金融機関から借入を行っている場合や個人信用情報に延滞履歴がある場合などは審査が厳しくなるといわれています。
しかし、具体的な審査基準は金融機関や信販会社により異なります。
希望しても利用できない場合があるため、その点には注意が必要です。
デメリット②金利がかかる
デンタルローンを利用すると、元金に加え利息を返済する必要があります。
利息は、ローンを利用する際に支払う対価です。
そのため、現金で支払う場合よりも返済総額が高くなります。
利息の額は、借入額と金利で変動します。
金利の相場は3.0~8.0%程度で、一般的なカードローンに比べて低く設定されています。
適用される金利は、利用する金融機関、信販会社、借入額などで異なります。
返済総額を抑えたい場合は、借入額を少なくしたり、返済期間を短くするなどの工夫が有効です。
デメリット③すべての歯科医院で扱っているわけではない
デンタルローンは、インプラント治療や矯正治療などの自費診療に力を入れている歯科医院が主に扱っている目的別ローンです。
希望しても、どの歯科医院でも利用することができるわけではありません。
また、歯科医院によって提携している金融機関、信販会社は異なります。
詳細を確かめずに歯科医院を選択すると、気になっている商品を利用できない恐れがあります。
このような場合には、他の支払い方法を選択する必要があります。
返済総額や月々の返済額が変動する可能性があるため、注意が必要です。
デンタルローンの審査の概要
デンタルローンの審査はどのように行われるのかについて説明します。
必要書類
必要書類は利用する金融機関や信販会社で異なります。
多くの場合に提出が求められる書類は以下の4点です。
【基本的な必要書類】
- 申込書
- 資金使途確認資料
- 本人確認書類
- 所得証明書類
申込書は、歯科医院などで入手できます。
資金使途確認資料は、借り入れの目的を証明するための書類です。
ここでは、歯科医院の名称、治療費などが記載されている契約書や見積書を指します。
本人確認書類として運転免許証やマイナンバーカードなど、所得証明書として源泉徴収票や給与明細書などを使用することができます。
審査基準と期間
審査の基準も、金融機関や信販会社で異なります。
各金融機関や信販会社ごとに異なる基準で審査を行っています。
しかし、重視するポイントは基本的に同じです。
多くのケースで以下の3点を確認されます。
審査のポイント | 概要 |
信用情報 | ローンの契約内容や支払い状況など |
属性情報 | 年収、勤続年数、雇用形態、家族構成、持ち家、賃貸など |
借り入れ状況 | 他の金融機関からの借入残高など |
これらをもとに、申込者の返済能力を評価します。
金利が低いほど審査は厳しくなる傾向があります。
審査に必要な期間は1~2日程度です。
具体的な所要期間はケースにより異なります。
日程にゆとりを持って申し込むことが大切です。
デンタルローンの審査通過率を高める方法
残念ながら、審査で落ちることもあります。
ここでは、通過率を高めると考えられている方法を紹介します。
勤続年数を重ねる
審査では、申込者の返済能力を確認します。
その際に重視されるのは、安定し継続した収入があることです。
これらを評価するために、属性情報の一つである勤続年数が確認されます。
勤続年数が長いと安定した収入、継続した収入があると言えるため、審査で有利になると考えられます。
したがって、審査の通過率を高めたい場合は、勤続年数を積み重ねることが重要です。
ちなみに、同じ勤続年数であれば、アルバイトやパートよりも正社員のほうが原則として良い評価を受けられます。
これは、正社員のほうが雇用の安定性が高いと見なされるためです。
ローンを完済する
申込者の返済能力を確かめるため、審査では返済負担率もチェックされます。
返済負担率は、年収に占める年間返済額の割合と言えるでしょう。
この割合が高いと、現時点における返済能力は低いと評価されるため注意が必要です。
したがって、既存のローンを完済することで、審査で有利になる可能性があります。
ちなみに、目的別ローンは総量規制の対象から外れています。
総量規制は、貸金業者から借入できるお金の総額を年収の3分の1以下に制限する制度です。
しかし、総量規制の対象から外れていても、年収の3分の1を超えて借入できる保証はありません。
返済負担率が高いと、審査で厳しい評価を受ける可能性があるためです。
保証人や承諾書を用意する
審査では、安定した収入があることを確かめます。
学生や専業主婦(主夫)などにとっては、通過が難しい審査と言えるかもしれません。
安定した収入がない場合は、保証人を立てたり、承諾書を用意することで、審査に通りやすくなる可能性があります。
金融機関がリスクをコントロールしやすくなるためです。
例えば、保証人を立てると、契約者が返済できなくなった際に保証人が代わりに返済することを期待できるため、金融機関はリスクを低く見積もることができます。
必要性が認められる場合は、保証人や承諾書を用意すると良いでしょう。
両親や配偶者の名義で契約する
患者様本人に安定した収入がない場合は、両親や配偶者の名義で申し込むことが可能です。
例として、学習者の方が両親の名義で申し込むケースや、専業主婦(主夫)の方が配偶者の名義で申し込むケースなどが考えられます。
両親や配偶者の年収をもとに審査を行うため、患者様本人に安定した収入がなくても、良い結果を得られる可能性があります。
協力を得られる場合は、両親や配偶者に相談すると良いでしょう。
デンタルローンを利用する際の注意点
デンタルローンを利用する際に注意すべきポイントについて解説します。
注意点①返済が遅れないように留意する
何らかの理由で返済が遅れると、遅延損害金を請求される可能性があります。
支払う金額が想定より増加するため、返済の遅れには注意が必要です。
また、支払いが遅れると、客観的な事実として信用情報に反映されます。
信用情報は、ローンの審査などで申込者の信用を評価するために活用される情報です。
したがって、支払いが遅れるとローンなどを利用しにくくなる可能性があります。
毎月の返済額と返済日を確認して、滞りなく支払えるようにしておくことが大切です。
注意点②追加融資には再審査が必要
さまざまな事情で、追加融資が必要になることもあります。
追加融資を受けたい場合は、原則として再審査が必要です。
既に審査を受けているからといって、無条件で融資を受けられるわけではありません。
追加審査でも返済能力を確かめられるため、既存の借入額を踏まえて借入希望額を設定する必要があります。
返済負担率が高くなると、返済能力が低いと評価される可能性があります。
初回の申し込み時に詳細な見積もりを取得しておくことで、追加融資の必要性を防ぎやすくなります。
インプラント治療の費用を抑えられる制度
医療費控除と高額療養費制度を活用すると、インプラント治療で発生する経済的な負担を抑えられる可能性があります。
ここでは、医療費控除と高額療養費制度について解説します。
医療費控除
1月1日から12月31日までに支払った医療費が一定額を超える場合に、その額をもとに算出した金額の所得控除を受けることができる制度です。
ローンを利用して支払った治療費も、一般的な支出水準を大きく超えていなければ、医療費控除の対象と考えられます。
医療費控除の対象金額は次の計算方法で算出します。
医療費控除の対象になる金額=支払った医療費の合計-保険金などで補填される金額-10万円(※)
(※)総所得金額等が200万円未満の場合は総所得金額等の5%
治療が年をまたぐ場合、その年に支払った金額が医療費控除の対象になります。
歯科医院の領収書が手元にないときは、デンタルローンの契約書を医療費を証明する書類として使用できます。
出典:国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」
出典:国税庁「No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例」
高額療養費制度
月の初めから終わりまでの間に、医療機関や薬局で支払った金額が上限額を超えた場合に、超過分が払い戻される制度です。
保険適用される以下のインプラント治療を対象とします。
【保険適用されるインプラント治療】
- 生まれつき3分の1以上の顎の骨の形成不全や欠損がみられる
- 病気や事故で顎の骨を広範囲にわたり欠損した
また、所定の条件を満たす医療機関でインプラント治療を受ける必要もあります。
一般的なインプラント治療は、高額療養費制度の対象から外れると言えるでしょう。
インプラント治療の経済的な負担感はデンタルローンで抑えられる
本記事では、インプラント治療に活用できるデンタルローンについて解説しました。
デンタルローンは、資金の使い道を歯科治療に限定した目的別ローンです。
主なメリットとして治療費を分割払いにできること、また主なデメリットとして利用にあたり審査が必要である点があげられます。
審査の通過率は、勤続年数を増やしたり、ローンを完済することで高めることができる可能性があります。
インプラント治療にかかる費用が負担に感じる場合は、利息なども踏まえ、デンタルローンの利用を検討するのが良いでしょう。
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